新入社員の事故が2年連続でゼロに。他の従業員への拡充も検討中
「JAFトレ」を導入し、実際の効果はどうだったのだろうか。
「大きな成果がありました。『JAFトレ』を初めて導入したのは23年4月の新入社員向け研修時ですが、その年に入社した新入社員の事故は年間を通じてゼロ、さらにその翌年に入社した新入社員も年間を通じて事故ゼロと、2年連続で新入社員の事故ゼロを継続しています」と有賀執行役員は紹介する。同社で長年の課題となっていた、若年層の交通事故件数の低減の取り組みが実現しつつあるわけだ。
「今後は他の年齢層の従業員や、営業担当者など業務で社用車を運転する従業員にも『JAFトレ』による交通安全トレーニングを広げていく計画です」と有賀執行役員は話す。
eラーニングの場合、受講者が仕事で忙しく受講しなくなることもある。ナカニシではどのような工夫をしたのだろうか。
「上から指示するだけではなく、従業員が自発的に学習するように促しました。『JAFトレ』は楽しみながら学習できるコンテンツも多く、従業員も飽きずに学習できたのだと思います」(有賀執行役員)
新たな動きも生まれているようだ。安全運転に関する全社的な機運の高まりである。
「当社にはさまざまな小集団活動(職場の従業員が集まって自発的に行う改善活動)がありますが、交通安全を啓発する小集団活動も設立されています。安全運転を宣言するドライバーズカードなども作成し、朝礼などで唱和も行っています」と有賀執行役員は話す。交通安全に対する意識の向上が自発的に行われ、企業の文化として定着しつつある。
「JAFトレ」に対するさらなる期待を、有賀執行役員は次のように語る。
「仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などを活用したコンテンツなどができるといいですね。より実技に近い講習が可能になり、従業員の学習意欲も高まると思います」。実際に、JAFメディアワークスでは、VRやARの他、生成AIを活用したコンテンツなども検討中だという。
「JAFトレ」は、クラウド経由でソフトウエアを利用するSaaS(サース)方式で提供されているため、新機能の追加などのバージョンアップも容易に行える。初期の導入コストもリーズナブルに抑えることができる。
ナカニシの取り組みに見られるように、交通安全教育は、CSVの観点でも欠かせないものだ。地方では従業員の大多数が車通勤する企業も少なくない。ナカニシの事例はそれら多くの企業にとって良き先行事例になるといえるだろう。

JAF交通安全トレーニング(JAFトレ)は、JAFの交通安全啓発のノウハウを生かした交通安全教材を毎月eラーニング形式で配信し、その学習結果を管理するためのツール。JAFならではの実践的な教材を配信することで、安全運転管理者の業務を助けるソリューションとなっている。
・教材
JAFの知見を8章にまとめ、「スライド講座」「タッチで危険予測」「〇×テスト」「ドラレコ動画」の4種類の教材が用意されている。
※配信教材 (https://jaf-training.jp/material.html)
・管理機能
受講者の学習状況が確認でき、フィードバックが可能となっている。
株式会社JAFメディアワークス
(JAF交通安全トレーニング<JAFトレ>運営担当)
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問い合わせ:jaf-training@jafmw.co.jp
JAF交通安全トレーニング(サービスサイト):https://jaf-training.jp/