消費税がかかるのは
基本的に引き渡し時
住宅購入費用には消費税のかかるものとかからないものがある(表2参照)。例えば中古住宅を個人の所有者から購入する場合、土地だけでなく建物も非課税となる。そのため、「増税前」を気にすべきなのは新築住宅、もしくは事業者から中古住宅を買う場合になるが、このときの購入時期には注意を払いたい。
消費税が課税されるのは原則として引き渡し時。増税前に契約を済ませていても、引き渡しが14年4月以降になれば課税対象となる。ただし、これには例外の経過措置がある(表3参照)。契約を13年9月末までに済ませれば、引き渡しが14年4月以降になっても、消費税は5%のままとなるのだ。
「9月末」を見据えて行動を起こすなら、そろそろ腰を上げるタイミングといえるだろう。
ローン減税で得なのは
一定以上の高収入世帯
一方、増税後は住宅ローン減税が拡充される(表4参照)。10年間、年末のローン残高に応じて、支払った所得税、住民税(住民税については課税総所得の7%まで)が戻る制度だ。14年4月以降、一般の住宅で10年間のローン控除が最大200万円増える。表1の「差額99万円」と、どちらが得なのだろうか。
注意したいのは、控除枠が拡大されるのは消費税8%が適用された物件のみであること。青木氏の試算によれば、ローン減税で増税分以上の恩恵を受けられるのは一定以上の収入があり、相応の所得税・住民税を支払っている世帯に限られる。
ただし、所得税・住民税から還付しきれない分を給付する案も検討されているので、この結果についても注目しておきたい。
今後も大都市圏ではインフレや人口増加、円安による海外投資マネーの流入により地価の上昇が予想されている。もし新築物件の購入や住宅建築を考えているのなら、「消費税増税前」を検討してみる価値はありそうだ。