無理なく成長できる
育成環境を用意

 同社のプロジェクトは基本的に3~5人のチーム体制で行われ、若手も先輩と一緒に現場に入り、実践を通じて学んでいく。「常駐は1人ではない」という安心感があり、未経験者でも無理なくスタートできるのが特徴だ。入社後3カ月間は、社会人マナーからシステム開発の基礎まで、外部研修でしっかりと土台を築く。「その後は配属先でのOJTに加え、直属の上司とは別に、先輩社員が私生活の相談にも乗る『メンター制度』を利用して、仕事だけでなく、生活面でも気軽に相談できます」(瀬山社長)。

 技術力を高める仕組みとしては、UdemyやProgateなどを活用、Udemyは会社が費用を負担し、会社への申請不要で自由に受けることができる。

「文系出身の社員も多く、プログラミング以外にも要件定義などの上流工程や評価検証といった役割で活躍しています。新しいことに前向きに挑戦し、他者の意見にも耳を傾けられる人であれば、理系・文系を問わず活躍できるチャンスが当社にはたくさんあります」(瀬山社長)

ワークだけでなく
「ライフ」も大切にする

 TSOneが大切にするのは、社員の“人生”に寄り添うこと。早期離職が社会課題とされる中、同社では3年以内の離職率が非常に低く、定着率が高い。その背景には、柔軟な働き方の整備や、個々のライフを尊重する制度がある。

「例えば、毎朝のオンライン朝会では情報共有を徹底しています。社員の6~7割がリモート勤務を行っていますので、離れていても孤立せず、つながりを感じられる環境を大切にしたいのです」と瀬山社長。また、ユニークな「推し活休暇」(年1日)では、自分の“推し”に没頭する時間を有給で確保。思い切りリフレッシュして、仕事へのモチベーションを高められる制度となっている。

ITの力で社会と人をつなぐ。働く人の“ライフ”に寄り添う企業文化社員同士のつながりを育む“部活”やイベントも活発。マラソン部は東京マラソンに参加し、文化部は根津美術館を訪問

 他にも、会社全額負担の社員旅行、マラソン・写真・フットサルなどの部活動、創業の地である東京・人形町の地域との交流を深める祭りへの参加や清掃活動など、職場を超えた“つながり”を大切にする文化がある。こうした社風に引かれて入社を決めた、という声は少なくない。

ITの力で社会と人をつなぐ。働く人の“ライフ”に寄り添う企業文化社員旅行では奄美大島や北海道を訪ねたり、田んぼで育てた「TSOne米」の稲刈りも恒例行事。仕事もプライベートも、“仲間”と楽しむ文化が息づいている

 社名の「TSOne」は、創業メンバー5人の頭文字に加え、「Technology」「Support」「One(つながり)」という意味を持たせたもの。「社員同士、お客さま、そして社会との“つながり”を大切にしながら、安心して働き、成長していける職場を目指しています。ワークだけでなく『ライフ』まで責任を持っていくことが経営の使命」と語る瀬山社長。そうした思いに支えられた企業文化を新しい世代につなげたいと考えている。