現場主体の改善力は、日本の製造業最大の強みである。とはいえそれは、“現場任せ”という意味ではない。経営戦略を遂行する中で製造現場がいかに“工夫を重ねる”か、その自由度を管理するということだ。優れたマネジメントは、現場のブラックボックスを放置しない。今風に言えば「プロセスの見える化」だ。これをスピーディに実現するには、IT軸と業務軸の両方に精通したシステムインテグレータの支援が欠かせない。
パナソニック インフォメーションシステムズ ソリューションビジネス事業本部 システムソリューション事業部 コンサルグループ エキスパート
製造プロセスを可視化し、経営課題に合わせて現場をマネジメントする武器として、注目されているのがシステムの活用である。システムを通して、モノ、ヒト、カネの流れをつかむことで、製造プロセスをマネジメントし、現場に経営の意思を反映させることができる。
しかし、問題もある。経営の課題と現場をどうつなぐのかというノウハウがなければ、システムを導入したとしても経営課題の解決に役立てることはできない。IT軸と業務軸の両方に精通したシステムインテグレータによる支援が、システム導入の成否を分ける鍵となるのだ。パナソニック インフォメーションシステムズ(以下 パナソニックIS)は、まさにそれを得意としている。
製造現場を知り、経営成果創出の要求に、
ITを通じて応えてきた経験
パナソニック インフォメーションシステムズ ソリューションビジネス事業本部 システムソリューション事業部 コンサルグループ グループ長
パナソニックの子会社である同社の最大の強みは、日本を代表するメーカーの一つ、パナソニックグループで培ってきた実績にある。
「グループ全体の情報システム部門を一つにまとめて分社化した経緯から、当社には、アセンブリ系(組み立て)、プロセス系、ファブレス(OEM)系といったあらゆる製造形態の現場を経験し、各製品分野に精通したSEが揃っています」と同社の平山勝広氏は語る。
もう一つの強みが、システムの企画段階から、システムの構築、アプリケーションの導入、そして運用までワンストップでサービスを提供していることだ。パナソニックISの門矢正則氏は「われわれは、グループ各社でシステム導入の企画段階から手がけてきました。そのうえ、経営戦略をソリューションに落としこみ、経営的な成果を上げることを、徹底して要求されてきたのです」と話す。
こうした経験は投資効果への強いこだわりに結びついている。
「システムは導入した時点がスタート。導入が目的になっては本末転倒です」と平山氏は語る。本来、システムを導入することで実現しようとした夢や目標があったはずだが、プロジェクトの過程でそれらを見失ってしまうケースが多いという。
そこで同社が注力しているのが、『導入前のアセスメント』と『導入後の使いこなし』である。平山氏によれば「使いこなしには、あるべき姿に対して成果をモニタリングすることも含まれています」という。