【伊勢丹 新宿本店】
タクシーの中もお買い物の時間

総務部 部長
木村秀雄 氏
伊勢丹新宿本店のタクシー乗り場がkmブランドに統一されたのは、昨年8月のことである。百貨店が1社のタクシー会社と契約を取り結ぶのは異例のことである。国際自動車と契約した理由を、伊勢丹新宿本店の木村秀雄・総務部部長は次のように説明する。
「以前は、お客さまを待つタクシーの数が多く、周辺の道路に車両があふれていました。公共空間である周辺道路にご迷惑をおかけしないようにし、かつ当店周辺の景観を改善するには、計画的に整然とタクシーが配車される仕組みが必要だと考えました。それを実現する手段が、1社との独占的な契約だったのです」
国際自動車が選ばれたのは、サービスに対する取り組みの姿勢が評価されたからだった。
「1人ひとりのドライバーに対し接客の教育を徹底していると聞き、実際にそのマニュアルも見せてもらいました。そのような強い意気込みで取り組んでいるのは国際自動車だけでした」

百貨店を利用する顧客にとっては、購入してから自宅に帰って商品を開封するまでの一連の行動のすべてが「買い物」である。仮に、店を出て自宅に帰る途中で不快な思いをしたり、危険な目に遭ったりすれば、買い物という行為の喜びが大きく損なわれてしまうことになる。「タクシーは、いわば、百貨店の延長線上にある空間であると私たちは考えています」と木村氏は言う。その要求に応えたのが、国際自動車だった。
伊勢丹と国際自動車のサービスに対する姿勢は、さまざまな場面で響き合っている。木村氏は、定期的に開かれる販売部長会で、国際自動車の接客マニュアルを紹介し、パートナー企業の中にも、これだけ顧客サービスを徹底している会社があると部長たちに告げたことがあったという。
「販売現場にもいい影響が出ました。サービスレベル向上という点で相乗効果が生まれたことも、この契約の大きな成果だったと考えています」