自由度の高さが
介護施設との違い
「サ高住は施設ではなく、サービスが自由に選択できる賃貸住宅です。食事や介護、医療などのサービスについては、自分の判断で自由に選ぶことができます。例えば食事の内容や要・不要、食事を取る時間も自分で決められます。介護サービスに関しても、自分の要介護状態を考慮しながら自由に組み合わせて決めていいのです。また、門限や外出の制限もありません。この自由度の高さは介護施設にない特徴です」
サービスが付いているというだけで、入居のルールなどは一般の賃貸住宅と変わらない。高額な一時金はないので、退去も気軽にできるのだ。
介護サービスはほとんどの場合、住宅と提携している特定の介護事業者によって提供されることが可能になっているが、気に入らなければ他の介護事業者への変更が可能だ。高齢者の自己決定やプライバシーを尊重し、自立した生活を送ってもらうのがサ高住のコンセプトだからだ。
その半面、住宅によって提供されているサービスもさまざまなので、入居の際には注意する必要がある。食事サービスの提供は95%以上の物件において行われているが、入浴などの介護を提供している物件は半数程度。必須の生活相談と安否確認サービスについても、その内容は事業者によりさまざまだ。
「団塊の世代の方々は特にこだわりが強い世代ですから、家族に強制されて入居を決めるようなことはないはずです。入居する際は、価格面だけではなく設備やサービス内容をぜひ自分の目で確認して、自分で決定してほしいです」と奥村氏はアドバイスする。