効率化や業績アップ、意思決定支援などにも

 例えば、情報共有のスピードアップにより、業務プロセスの回転を速めた企業。「Aさん→Bさん→Cさん……」と流れるプロセスを高速化すれば、単位期間内の売り上げや業務効率の向上が期待できる。

 あるいは、経営者が現場の意見や悩みを吸い上げて、意思決定の質を高めている企業もある。経営者が出向いて現場の空気を肌で感じることは重要だが、一定規模以上の企業になると限界がある。グループウエアのような仕組みがあれば、経営者は効率よく現場感を共有することができるだろう。

 クラウドとモバイルのメリットを生かして、外出先や自宅などでも業務ができる環境を整えた企業もある。ネットワーク上で社員がつながり情報共有する環境があれば、事業継続性を高めることもできる。

 ところで、クラウドサービスというと「自社内にデータがないので心配」「セキュリティは大丈夫か」といった懸念の声を聞くことがある。しかし、ITやセキュリティの専門家、堅牢なファシリティなどを備えた企業はともかく、一般的な中堅・中小企業にとってはプロフェッショナルに任せられるクラウドのほうがはるかに安心だ。とはいえ、各クラウドサービスによってセキュリティや信頼性のレベルは異なるので、複数のサービスを比較検討することが重要。機能面も含めた総合的な評価を行った上で、最適なグループウエアを選択したいものである。