歴史的にも多いライバルの逆転劇
項羽と劉邦の明暗が分かれた理由

 実は、こうしたライバルの逆転劇はよく起きる。歴史を振り返ると、それこそ枚挙に暇がない。たとえば中国古代の武将・項羽と劉邦。当初、項羽は激しい性格と強靭な肉体、凄まじいまでの戦闘能力で次々に難敵を倒して勢力を拡大し、一時権力をほしいままにした。

 劉邦は項羽に従って軍団に属していたのだが、その後独自の軍団を組織して項羽に対抗する勢力に成長する。そして、最後には劉邦の軍団が項羽軍を壊滅し、中国の統一を成し遂げ、漢王朝を創設することになる。

 項羽としては、自分に従属していた劉邦が後に漢王朝を成立させる人物になるとは、考えも及ばなかったかもしれない。

 政治の世界においては、その他にも、ドイツに神聖ローマ帝国の再興の夢を見て、欧州諸国を席巻したヒットラーと、スターリングラードの戦いでソ連をドイツ軍の攻撃から守りぬいたスターリン。中世の日本において、武士として初めて政治の領域でも覇を唱えた平清盛と、平氏に破れ源氏が都落ちした後、勢力を盛り返して平氏を壇ノ浦に破り、鎌倉幕府を創設した源頼朝。

 スポーツの世界でも、ウインブルドンなどの大会で幾多の名勝負を演じた、テニスのコナーズとボルグ。また、ボルグとマッケンローなどもそうした範疇に入るだろう。

 コナーズのように一時のチャンピオンが存在し、そのチャンピオンに対して強力なチャレンジャーが出現する。両者は互いにライバルとして技術を磨き、激しい戦いを繰り広げる。そして、チャレンジャーがチャンピオンを破り、新しいチャンピオンとしてチャレンジャーの挑戦を受ける。それが勝負の世界の慣わしだ。

 体力が重要なファクターとなるスポーツの世界では、年齢が大切なパラメーターになる。若くて壮健なチャレンジャーが、経験豊富なチャンピオンを倒していくのは世の常だろう。

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