OS移行に四つの課題
コスト、時間、手数、データ移行

 急がれるOS移行であるが、実行するには大きく分けて二つの方法がある。現在のPCを廃棄してWindows 7、8を搭載しているPCを新たに購入する方法と、既存のPCを利用して、OSのみをアップグレードする方法である。どちらの場合にも、いくつかの課題を乗り越えなければならない。

 長年にわたってOS移行のサポートを手がけてきた富士ソフトの片白健太氏は、「コスト、時間、人の手数、データ移行。この四つが大きな課題になるでしょう」と指摘する。

富士ソフト
MS事業部
らくらくプロジェクト
プロジェクトマネージャー
片白健太氏

 いくら安くなったとはいえ、500台、1000台のPCを使っている企業だと、新規購入には数千万円規模のコストがかかる。PC新規購入はもちろん、OSのみのアップグレードでも、作業には時間がかかる。全国に支店がある場合には、全社展開に1~2カ月かかってしまうかもしれない。

 しかも情報システム担当者がやるべきことは想像以上にたくさんある。OS移行する対象PCを正確に把握した上で、ハードウエア購入手配と安全な廃棄手配を行い、並行して、新OS上での業務アプリケーションやExcelマクロの動作検証をする。予算確保、全社への通知も、情報システム担当者の仕事だろう。ここからようやく、実際のインストールや配布作業が始まる。こうした作業全体を見渡した上で、計画を立て、着実に実行していかなければならない。

 全国に支店がある場合は、各地に作業をアシストまたは代行してくれる人を確保しなければならない。情報システム部門の担当者が一人しかいない「一人情シス」や、総務と情報システム部門の仕事を兼任しているといった「兼務情シス」の場合には、時間と人手の確保にさらに頭を悩ませることになろう。

 また、PC新規購入でも、OSのみアップグレードでも、既存のPCに格納されているデータを確保する作業が不可欠だ。ハードディスクからデータをどこかへ移動しておき、PCの入れ替えまたはOSのアップグレードが完了したら、再びデータを保存し直す。これを手作業で行っていると、時間と手数がかかる上に、コピー&ペーストの作業ミスでデータを破損する危険がある。

新規購入の20分の1のコストで
安全なOS移行が可能

 このようにOS移行は数々の課題を伴うが、最大の課題は、何といってもコストである。特にPCを新規購入する場合は、前述のとおり莫大な費用がかかる。

 そこで片白氏は、PC新規購入を考えている企業に対して、「その前に少しだけ調べてみてほしい」と話す。「ひょっとすると買い替えなくても済むかもしれず、もっとコストを抑えられるかもしれないのです」。

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