デジタルマーケティングで
成功する企業の共通点
カスタマー・リレーションシップの構築が長期的課題であるからといって、受け身で結果を待つわけにはいきません。デジタルマーケティングの世界では、打つべき手立てを講じれば、確実に売上が伸びます。
確かに競合のキャッチアップは早く、同じ手法を使い続けることはできませんが、成果が出る手段を横目で眺めているのはもったいない。そこで、小規模かつスピーディに始め、必ず成功するアプローチを紹介したいと思います。ただし、次の質問の答えがNOの会社が対象です。
「御社は顧客情報を統合管理していますか?」
先述したように、部門ごとにバラバラに管理していて、いまだに表計算ソフトを使用しているならば、これを統合するだけで既存顧客の現状が見えてきます。何をするにも、正しい現状認識が第一歩。それまで見えなかった意味のある集団(セグメント)が明らかになり、今講じるべき手立てが自ずと明らかになるはずです。
このようにアーリー・スモール・サクセスを積み上げ、知見を蓄積する例は、シック・ジャパンをはじめ数多く見られます。それら成功企業には、既存顧客のデータをモニターし、顧客セグメンテーションとそこへのアプローチを更新するという2つの共通点があります。
まず模倣すべきは、前者です。その結果をベースに仮説・検証のサイクルを回し次々に施策を打つシック・ジャパンの取り組みを見れば、細分化・変化を続ける個々のニーズに対して新規顧客を獲得し続けるだけでは非効率であることがよくわかります。
個別のトランザクションを狙う時代から、エンゲージメントを重視する時代はもう始まっています。その〝武器〟となるのがデジタルマーケティングです。もはやそれは、マーケティング部門だけの課題ではありません。事業戦略の最重要課題であり、そのことを多くのマネジャーは理解しているはずです。長期的な顧客関係を構築し、業績改善を実現する手段として、一刻も早い導入が急務です。