「交流」を創出し
地域活性化を促進

地元企業と連携して
地域交流を促進する

JTB中国四国
営業企画部 マネージャー
徳政由美子氏

 ＪＴＢ中国四国営業企画部の 徳政由美子マネージャーはこう説明する。

「中国四国9県に営業拠点を持つ当社では、地域交流事業として観光商品の開発を行ってきました。あるクルーズ商品では、船会社だけでなく、宿泊や土産物といった地元企業ともネットワークを構築し、着地型商品の開発を行ってきました」

 地元に根差した取り組みで大きな効果を挙げた例が、「大人の教育旅行」だ。普段、個人旅行ではなかなか見ることのできない工場見学とグルメが一緒になった日帰りバスツアー。13年1月の第1回スタート以降、延べ550人以上が参加した。中国四国9県を巡るコースがあり、全県を制覇する参加者も複数いるなど、人気の高いツアーとなった。

「銀河しまのわランチクルーズ」は、広島港を出発し宮島で下船し、世界遺産の厳島神社を参拝するコース

 ＪＴＢグループでは「交流文化事業」を事業ドメインに掲げ、その推進ドライバーとしてＤＭＣ^※2戦略を進めている。各地域の魅力の掘り起こしや磨き上げ、観光人材の育成、地域物産品の開発などを行うのがＤＭＣで、各地域の観光開発プロデューサーや営業担当者が中心となってこれを進めている。「大人の教育旅行」のような、これまであまり知られていなかった資源を観光資源にすることができたのも、普段の地道な活動の成果といえるだろう。

 観光分野に限らず、新規事業の創出にも力を入れている。一例として、宇和島の名産である真珠を使ったアクセサリーの製作を、シンガポールの観光関係者に提案中だ。実現すればＪＴＢが販売ルートを開拓することで、地元経済の活性化や販売先との人的交流につながる。世界各地にネットワークを持つ企業だからこそできる提案といえる。