サービスの質を高めるため
あえて保険相談窓口の数を減らす

 一方で、「保険はじっくり話を聞いたうえで選びたい」という人も多い。そうした人の相談窓口として、「保険市場」はコンサルティングプラザ14店舗と、協力保険代理店431店舗のネットワークを全国展開している(2014年5月30日時点)。

 店舗展開も独特だ。直営のコンサルティングプラザは、いずれも政令指定都市の中心部にある有名ビルの上層階などに立地。ショッピングモールなどにぎやかな場所に展開することが多い他社の保険相談窓口と違い、高級ホテルのラウンジのような落ち着いた雰囲気の空間だ。

東京・丸の内にある直営の東京コンサルティングプラザ。対面での保険相談を行うのにふさわしい空間となっている

「以前は当社も、他社と同じようにショッピングモールなどに相談窓口を設けていましたが、お客様の立場で考えると、保険の相談はなるべく人目にさらされず、落ち着いた場所でできるほうが望ましい。そこで、窓口の立地を全面的に見直すことにしたのです」(朝田氏)

 そもそも「保険市場」は、複数の保険会社の商品を取り扱う保険相談窓口を日本で他に先駆けて開設。一時期は全国で200店舗近い直営窓口を展開した経緯がある。ピーク時にはコンサルタントの数も700人以上に達した。しかし、「規模の拡大とともに、わたしたちが本来目指してきた保険相談サービスの質が維持しにくくなっているジレンマを実感するようになりました。そこで、お客様の満足を最優先するため、あえて店舗数を大幅に減らしました」(朝田氏)。

 規模の縮小と同時に、どうすれば顧客がもっと気兼ねなく、心ゆくまで相談できる空間がつくれるかと検討を重ね、たどり着いたのが現在のコンサルティングプラザだ。実際に来店した顧客の要望や意見も十分に反映し、細部にいたるまで工夫を心掛けた。

相談中も子どもの様子が常に見えるよう設計された相談スペースとキッズルーム

 たとえば、コンサルティングプラザの大部分は、フロアの中心部にガラス張りのキッズルームを置き、それを取り囲むように相談ブースが放射線状に配置されている。「このレイアウトなら、どのブースからでもお子さんがキッズルームで遊んでいる様子が見えるので、安心して保険相談に専念できます。この工夫も『子どもに常に目が届くようにしてほしい』というお客様のご要望を反映したものです」と朝田氏は語る。