トヨタ式ナレッジワーカーの行動改革 【第2回】人材活用の本質的問題を解決する

HIT技法が経営を変える

トヨタ式ナレッジワーカーの行動改革
【第2回】人材活用の本質的問題を解決する

著者・コラム紹介
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 業務の「管理点」と「スキルマトリクス」

 HIT技法の最大の特徴は、業務や作業をでき得る限り分解し、業務の実態を可視化することである。もう少し詳しく述べれば、各業務や作業を「単位業務」と「単位作業」の原単位に分解し、機能の体系を元にチャートや時間などで目に見える形にする。

 例えば、「退職者に関わる一連の業務」があるとする。人事部関連だけに絞って考えてみても、「辞令の交付」「退職金の支給」「雇用保険の給付手続き」「健康保険・年間関係手続き」などの業務がある。これらは1つの目的をもって行われるもので「単位業務」で業務の原単位になる。

 それぞれの単位業務はさらに細かな作業からできている。例えば、辞令の交付であれば、「社員台帳への記録」「辞令用紙の準備」「辞令の執筆」「社判の押印」「交付」などから成り、これらが単位作業における原単位である。

HIT技法は、これらをチャート化し、単位作業を分・秒単位で工数を把握していく。

 このチャート化作業を徹底していくと、まず浮かび上がるのが「組織の業務機能の3図化」である。つまり、現場の作業担当者が作成する原単位に基づくチャート(Sチャート)により、管理者は単位業務の構成内容を把握できるチャートを作り(Bチャート)、さらに経営者は単位業務の集合体としての事業推進機能を把握できるチャート(Mチャート)を作成できる。つまり、この時点で経営・管理・担当の3者が同一目線で業務の内容を把握し、「業務の重複がある」とか「紙ではなく電子データで処理したほうがよい」といった改善点を共有できるのだ。

 組織の業務機能の3図化でさらに重要なのは、業務の実態をチャート化することにより、それ自身が「業務管理点マニュアル」になることと、人事評価にもつながる「業務スキルマトリクス」が完成することである。

 業務管理点マニュアルとは、それぞれの単位業務における業務をスムーズに処理し、かつ成功に導く“勘所”を示すものだ。例えば、営業担当者が商談状況を報告する「営業日誌」を作成している場合、入力作業、プリントアウト、上司のチェック、校正後のメール送信など、これだけで15ぐらいの単位作業になる。

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