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東京理科大学専門職大学院イノベーションレビュー

あなたのフェイスブック作法、大丈夫?
コピペ横行時代、著作権侵害のリスクを考える

ニュースで学ぶ知的財産権戦略入門2014
東京理科大学専門職大学院MIP(知的財産戦略専攻)
WEB講義・宮武久佳教授

【LECTURE Theater 2014 第1回】 2014年8月22日
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皆で渡れば怖くない?
フェイスブックのコピペにご用心

 「知らない」ということは時に恐ろしいことです。素人さんは無茶をする(笑)。「11人で」「ゴールキーパー以外は手を使ってはいけない」というサッカーの世界に、ボールを抱えて走り、選手同士が体当たりをすることを何とも思わない人々がなだれ込んできた状態と言えば、分かりやすいでしょうか。これが今の著作権を巡る状況です。

 アマチュアが、ホームページを作るとします。「ちょっと楽しい絵が欲しいな」と、ドラえもんやピカチュウをどこかから取ってきて、貼り込む。普通にあることですが、違法です。「キャラクターの絵は、ネットで誰もがアクセスできるからいいじゃないか」というのは勝手な理屈です。

 大学キャンパスで、毎年春に見かける学生のクラブ活動勧誘のポスターには、マンガやアニメの人気キャラクターを無断で使っているものが多いです。違法です。

 クラブ活動ぐらいなら、まだいいですが、もしも企業が組織ぐるみで著作権侵害をしていることが知られれば、企業の信用にダメージが及びます。

 法律以前の話として、キャラクターであれ、絵であれ、小説でも音楽でも、作った人は、時間と労力をかけています。その成果だけを、簡単にコピーしようとする行為は、作者や作品への「ただ乗り」に等しい。たとえ著作権の細かなルールを知らなくても、「ちょっと待てよ。(勝手に使うと)作った人に申し訳ないかな」と思う気持ちが重要だと思います。はやりの言葉で言うと、作者への「リスペクト」(敬意)ですね。

 皆さんは、フェイスブックやツイッター、LINEを身近なツールとして使っていませんか。ソーシャルネットワークサービスには著作権侵害の危険がいっぱいありますよ。

 フェイスブックで、他人が撮影した写真を無断でコピペしていませんか。ツイッターで他人のテキストを無断で拝借していませんか。メールの文章も、多くの場合、著作権の対象となります。メールの転送には、元の送り手の「暗黙の了解」があるうちはいいですが、無断転送は危険です。もちろん、この文章にも著作権があります。

 実際、フェイスブックを見ると、著作権侵害のオンパレードといった状況にあります。特に写真と映像(動画)。リンクを張って元のデータに誘導するのは著作権侵害にはなりませんが、他人の写真や動画を無断でコピーして(複製権の侵害)、自分のフェイスブックに貼り付ける行為(公衆送信権の侵害)には用心した方がよいです。

 「他人がやっているからいいじゃないか」というは勝手な理屈です。「赤信号、皆で渡れば怖くない」と言っているのと同じで、皆で違法行為をしているに過ぎません。

 著作権に関する基礎教育が、小学校、中学校、高校のそれぞれの段階で、わずか数時間もよいので、充実されることを願います。今も、著作権教育は、各教科で少しずつ教えられることになっていますが、肝心の先生が著作権にどれほど理解があるのか、ちょっと心配です。

 

 

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いかにして技術から新しい価値を生み出すのか。また、その成果をいかに正当に確保し、配分するのか。東京理科大学専門職大学院のMOT(技術経営専攻)とMIP(知的財産戦略専攻)には、教員・院生を問わず多様な人材が集い、現実の課題に基づく視点から、イノベーションを実現するための叡智が日々蓄積されている。

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