日本の鉄道業界に強く進言したいこと
それは「株式会社 新幹線」の設立だ

連載第15回第16回でもお伝えしたように、世界でも稀な上下一体方式を採用しているが故に、JR東日本などは世界でトップクラスの鉄道運行ノウハウを持っている。世界1位の新宿駅をはじめ、1日の乗降者数の上位23位までは全て日本の駅だ。それほど大量の乗降客をさばきながらも、定時運行率でも世界でトップだ。

 今後、鉄道需用が旺盛になると見られる国々は人口がケタ外れに多い。日本の鉄道運行会社のノウハウは価値となる。

 また、日本の鉄道会社は世界でも稀な黒字企業が多い。公共事業としての性格が強いとはいえ、鉄道が国家財政を圧迫することは望ましくはない。日本の鉄道会社は鉄道に付随する副業の上手さが際立っている。JR東日本の「ecute」や「suica」はその一例だ。

 このようなソフト面の強さに加えて、元来の強みであるモノづくりをセットにした戦略的組織を政府が主体となって立ち上げてみる。それが「株式会社 新幹線」だ。

 あまり知られていないが、LIXILは経産省が主体となって合従連衡が組織された。また、三菱重工と日立は火力発電プラントにおいて合弁会社を立ち上げた。古くは、三井と住友が1つの銀行になった。歴史的合併を乗り越えて、世界で活躍している企業は多く存在している。

 日本の鉄道業界は志を持って、勇気を持って、世界ダントツの鉄道車両・機器製造&運営企業を目指してはどうだろうか。

 これまで述べてきた「処方箋」は、あくまで筆者自身の見解に基くものだ。しかし、これまで述べてきた通り、ビッグ3や台頭する中国企業も驚愕するほどの高い潜在力を持つ日本の鉄道業界は、今こそ自らの戦い方を見直し、世界市場へ打って出るべきではないか。

 最後に「クールジャパン」の象徴とも言うべき新幹線を例に出し、筆者の熱い思いを届けさせてもらった次第だ。

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