相続に備える「個人」にこそ必要な
相続アドバイザー資格試験

 こうした相続の知識を、総合的かつニュートラルな立場で勉強できる機会は、意外と少ない。そこで今、「相続アドバイザー(3級)」という資格試験が注目を集めている。

 2014年3月に銀行業務検定の1つとしてスタートしたばかりだが、初回の受験者が1万に達するほどの人気を集めている。その理由について、峰尾氏は「残された遺族のことを考える親などにとっても必要な相続対策としての知識だけでなく、財産を引き継ぐ推定相続人の立場としても、今まで学習する機会がなかったような相続後の事務手続きについて相続前後のトータル的な知識を学ぶことができるからです」と言う。

 相続に関する民法の規定や、相続税の計算方法などは、各種資格試験や書籍、セミナーなどで学ぶことができるが、銀行口座の解約方法や不動産の相続登記に必要な書類など、“相続開始後”の実際の場面で、何が必要になるかを学べる機会は多くない。

 その点、相続アドバイザー試験は銀行業務を想定して出題されるため、民法や相続税法はもちろん、煩雑な手続きについても学習できるのが、他の資格との大きな違いになる。例えば、葬儀代が緊急に必要になり、相続人の1人が銀行の窓口で故人の口座から現金を引き出そうとした場合、銀行はその金額を払い出せるか否か。資格試験では、そのような実務的な問題が出題されるという。

「相続関連業務を扱うFPや士業の方、また銀行、証券、保険、不動産業務勤務の方にも有効な試験ですが、私がいちばんお薦めしたいのは、自身や家族の相続準備が必要な個人の方です。事前対策を練る上でも、銀行や不動産会社からアドバイスを受ける場合でも、相続アドバイザーの資格があれば、ニュートラルな立場で対策を考え、専門家の提案に対しても正しい判断を下すことができます。相続は開始後の手続きが重要ですので、特に相続準備を考えている方にとっては最適な資格試験だと思います」

 峰尾代表が言うように、相続対策はもはや“資産家”だけが対象ではない。スムーズな遺産相続のためにも、相続アドバイザーはきわめて実践的な資格試験だといえる。

 

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