――データセンターが“動脈硬化”!? 

hoshijima星島  惠三
NTTファシリティーズ
DC&BCPプロジェクト本部
副本部長

1992年、日本電信電話株式会社に入社。直流給電システムの開発、燃料電池システムの実証試験等に従事。2007年から13年6月までNTTファシリティーズの米国拠点(サンノゼ)においてマネージャとして、現地でデータセンター事業を展開しつつ、米国の最新技術、マーケットに関して調査実施。現在は、NTTファシリティーズのDC&BCPプロジェクト本部副本部長として、地球環境に配慮したデータセンターの構築/保守の提供に携わっている。

星島 建物や構造物は通常40年以上利用できます。適切な保守・保全を図れば60年以上も可能でしょう。

 一方で、構造物に包含される電力や空調等の設備はサーバの集積度向上についていけなくなっています。サーバラック1台あたりの電力容量は2000年代初頭には2kVA※3でしたが、現在は4~8kVAが主流となっています。

 サーバなどのIT機器は長くても5年程度で陳腐化し、最新のものに更改されますが、電力や空調などの設備は10年~15年程度利用されるため、必要な電力供給量やIT機器に必要な冷房能力などはサーバの高密度化に追従できていません。

 そのため床面積に余裕があっても、これ以上サーバラックを置くと電力が足りない、冷やせないという状況が発生しています。人間でいえば外見は健康そうなのに血管が詰まって血流が滞る動脈硬化に似ています。

yatabe谷田部  智之
三菱総合研究所
情報通信政策研究本部
主任研究員
2000年、株式会社三菱総合研究所に入社。ICT産業に関わる政策、コンサルティングに従事。通信やクラウド、モバイル関連ビジネスから先端ICT技術、スマートグリッド、国際標準化戦略などICT関連全般を担当

谷田部 1990年代後半から2000年代初頭に構築されたデータセンターでは、今後数年で大規模な設備更改をするか、新たなデータセンターへ移設するかの選択を迫られるでしょう。

 サーバ単体の性能は飛躍的に向上しているので、処理量が同じであれば必要なサーバの数は減少するはずなのですが、実際には企業が取り扱うデータの量は爆発的に増えており、半年~数年おきにサーバやストレージを拡張しています。

 また、維持する設備の高度化・複雑化に伴い、運用・保守にも高度なスキルが要求されています。

 オフプレミス化の背景には、運用・保守を自社で担うより、外部化したほうが効率やコストに優れる面もあると思います。 

※3 「キロボルトアンペア」。電力を表す単位の一つ