“動脈硬化”に対応する
データセンターの選び方
――保守性、拡張性、災害耐性などを見据えたデータセンターの総合的マネジメントが重要なポイントということでした。これらを踏まえて、企業はどのようにしてデータセンターを構築、維持していくべきでしょうか。
谷田部 自社拠点からのアクセス性、設備の冗長性(非常用発電機の予備機構成など)などについて、要求レベルを明確にすることが大切です。災害耐性の観点からもアクセス性は重要です。
バックアップセンターであれば、災害時にメインセンターと同時に被災しないロケーションである一方、システム切り替えのための要員が駆けつけられないほど離れてはいないことなどが求められます。
設備余力、予備機構成も同様で、電力や空調などのスペックに入り込む前に10年後の運用イメージを持ち、要求レベルを逆算するアプローチがよいでしょう。
要求レベルに応じたデータセンターをスクリーニングできる「MIRSE」(ミルス)のインターフェース
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星島 実際に企業がサーバ環境を見直し、要求レベルに合ったデータセンターを選ぶ場合には、災害の影響を受けにくい立地、ネットワークの堅牢性、運用・保守の信頼性などの条件で絞り込むことが多いようです。
狭い範囲の専門性では対応できず、構造、電力・空調設備、運用・保守など多岐にわたる専門性の連携・集約が必要です。
谷田部 三菱総合研究所では、国内のデータセンターを電力や空調設備などの設備要件、立地や空き状況などの条件を指定して検索できるデータセンターマッチングサービス「MIRSE」(ミルス)を提供しています。
指定した要求レベルに対し、マッチするデータセンター候補を一括でスクリーニングすることができます。データセンターの“動脈硬化”に直面する企業にも活用いただければと考えています。