採用視点のみの
作り方では生き残れない
以上、特徴が際立つ3社のインターンシッププログラムを見てきた。インターンシップの目的や求める人材が企業によって異なる以上、プログラムのコンセプトもそれぞれの企業ごとに大きく異なるのは当然だが、この三つのプログラムは、企業側が学生に伝えたいものと学生側が求めるものとのマッチングを図ろうとする明確な意図がある点で共通していると言えるのではないだろうか。また、自社の人事戦略、経営戦略の中にインターンシップをしっかり位置づけ、魅力的なプログラムをつくることに真剣に取り組んでいる点も、三つのプログラムに共通する特徴だ。
3社の取り組みを見ても明らかなように、インターンシップは、工夫次第で絶好の企業ブランディングの場となり得る。会社の特徴や魅力を学生にどう伝えていくか。そのために、学生に何を提供していくか。それらを戦略的に考え、ブランディングを成功させるためには、たんに人事的視点だけではなく、マーケティング、CSR、経営企画といった複数の視点が必要となる。その意味では、「採用担当としての人事」という固定的な立場を脱していくことが、魅力的なインターンシッププログラムをつくるポイントになると言ってもいいかもしれない。