踊り場を経ながら動き
開催3年前から本格上昇

 振り返れば1964年の第18回東京五輪のとき、私は小学5年生だった。当時を思い出すと、本当に気分が盛り上がったのは3年前からで、都心が工事だらけになったのも3年前からだった。実際、首都高速3号線は3年間の突貫工事でつくったので、耐久性が低いといわれている。

 それは、今回も同じだろう。

 20年東京五輪までまだ5年ある。今から不動産価格が急上昇することはない。20年まで踊り場を経ながら、緩やかに上がってゆくと私はみている。

 上がり方も均一ではない。まず、都心の一等地が上がり、それが、郊外の駅近マンションに波及。やがて駅から離れた場所も上がる、という現象が起きる。

 不動産購入で得をしたいなら、先を読むことと、早めに動くことが肝要だ。

4局面理論で見る「買い時」 櫻井氏の4局面理論によると、現在は「回復」から「過熱」に移行しようとしている時期。上昇期に当たるので、土地を持っている人は「これから東京五輪に向けて不動産価格が上がるはず」と考え、売り渋りが起きる。こうした傾向はすでにアベノミクスがスタートした頃から始まり、現在、市場へのマンション供給が少なめな原因となっている。  これは、実は買い手にとっては悪い時期ではない。ピーク期の高値づかみを避けることが重要だ。じっくり品定めできるうちに、慌てず物件を選別して購入したい。