福利厚生目的ではない「カフェテリア戦略」
100人以上が集まるパーティの会場としても利用されるカフェテリア内は、まるで瀟洒なダイニングレストランのようにスタイリッシュな調度品で統一されている。外部の調理スタッフによるメニューには街場のレストラン顔負けの品々が揃い、立派なバーカウンターでは本格的なワインやカクテルまで楽しめるという趣向だ。ランチタイムだけでなく、ディナータイムにも使いやすい。JBS社員のほか、打ち合わせなどで訪れた来客も利用することができる。
実際、夕方の打ち合わせ後の会食へ速やかに移行できることから、社員のカフェテリアの利用率は極めて高いという。社員同士の日常的な"飲みニケーション"はもちろん、大きなプロジェクトの打ち上げ、退社した社員を交えた同期会など、様々な用途で積極的に活用されている。
こうした「夜中心」のカフェテリアを設置したもう一つの狙いは、客先に出向しているエンジニアのために、オフィス内に"帰ってこられる場所"を作りたかったという理由もある。フリーアドレスを採用していることもあり、クライアント企業に常駐しているエンジニアたちは、本社に戻ってきても"居場所がない"と感じやすいのだという。
「彼らが帰ってこれるとしたら夜しかない。だからこそ、夜にコミュニケーションが活発になる場所を社内に作ることで、ここがホームだと思ってもらえる環境にしたかった。エンジニアにとっては"帰る場所がある"という安心感に繋がるし、日頃はなかなか顔を合わさない社員同士が情報交換をするチャンスも生まれます」(牧田社長)
最近では大手IT企業を中心に豪華な社員食堂を設けるオフィスは決して珍しくないが、それらは基本的に社員に質のいいランチを提供することが目的だ。いわば福利厚生の一貫だが、それに対してJBSのカフェテリアは、社員のためであることに加え、もう一つ明確な経営戦略ツールとして設置されている点が大きく異なるという。
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