クラウドゆえの利点と
誰にでも使える操作性
「カオナビ」は、クラウドを活用したサービスであることも大きなメリットの一つだ。
自社サーバを運用するのと比べ、初期投資やランニングコストを格段に抑えることができるし、更新の手間や負担もかからない。その上、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末など、さまざまなデバイスからアクセスできるので、出張先からでもデータベースのチェックやワークフローによる承認が可能だ。
利用の際のコスト面でも、300人未満の企業なら月額4万9800円(税別)から、300人以上の企業なら月額9万8000円(税別)から利用できる点でクラウドの利点が生きている。もちろん、情報漏えい防止などについては、万全のセキュリティ対策が施されており、組織内での情報アクセス権限も自由に設定できる。
また、その操作性については、人事関連システムの運用知識のない人にも使いやすく、かつ、分かりやすさに徹したインターフェース設計がなされている。あたかも、ソーシャルメディアを使う感覚で操作すれば、プロフィール付きの顔写真が“学校の卒業アルバムのように”端末に一覧表示されるのだ。
そこには、柳橋氏の「人事戦略は、人事部門に任せ切りにせず、トップマネジメント層が自ら指揮を執るもの」という考え方が表れている。
既存ユーザーからも、簡単な操作で全社員の顔と名前の情報がどこに居ても呼び出せることから、例えば、「スーパーバイザーがチェーン店を訪問する際など、乗り物の中でスマートフォンから店長以下の従業員の顔と名前を確認でき、すぐに声が掛けられるので、コミュニケーションに弾みが付く」などの声が寄せられている。
「カオナビ」の今後の展開について、基本性能やユーザーにとっての使いやすさに磨きを掛けたいと言う柳橋氏は、「あらゆる組織で、顔写真を並べて人事戦略を考えることが当たり前」という世界観を広めたいと述べる。
「普段の生活で自然に行われている『顔と名前を一致させること』が、なぜ、企業で行われないのでしょうか。組織の活性化は、お互いがお互いを知ることから。これは普遍的な原則だと思います」(柳橋氏)
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Photo by KUNIKO HIRANO