I・Hさん(31歳・会社員・男性)は、29歳のときに目黒区内の東急目黒線沿線駅徒歩5分の1LDK(40平方メートル)を購入。「家賃がもったいない、そろそろ買いたい」と思っていた矢先に出た物件で、「ここならいずれ売却できるし、明らかに割安感があった」という。

 価格は3500万円。全額を35年ローンで借り入れた。「手元に資金を残した方がいい」からで、繰り上げ返済も考えていない。

 月々の支払いは、従前の家賃を少々上回る程度。「でも、さくっと買ったわけではないですよ。生活に余裕があるわけではないので。ただ、確かに安心感はある。部屋にもそれなりに愛着はある。現実的には寝に帰るだけですが……」 

英語はペラペラで、現在中国語を習得中のW・Mさん。クラスの友達と一緒に料理を作って食べ、中国語のDVDを見るのが楽しみ
【DATA】W・Mさん(36歳・会社員) 立地●大田区 駅徒歩2分 間取り●1LDK・31平方メートル 価格●2680万円 購入時の年収●540万円

 W・Mさん(36歳・会社員・女性)の住まいは、大田区内の東急池上線沿線駅徒歩2分の1LDK(31平方メートル)。30歳のとき、実家から独立する際に「買えば資産になる」と購入した。

「将来、貸すことも考えて駅近であることと、地盤の良さにこだわって」探し、2カ月で8物件を見学。「実家にも会社にも30分以内で、価格も2680万円と条件内。ミストサウナなど設備も充実し、周辺にはスーパーや商店街もある。唯一の完成物件で安心感も強かった」と、現在の住まいに決めた。

 頭金は貯金の680万円。2000万円を35年ローンで借り入れた。月々の支払いは、ローン返済に管理費等を含めて8万円弱。

「何度か繰り上げ返済をし、今年中に完済する予定。ここを貸して、40歳までにもっと広い部屋をもう1戸買いたいと思っています」

 このように、都心を中心にマンションを購入するシングル男女が増えている。「統計からみた我が国の住宅」(総務省統計局)によると、シングルの持ち家率は男女ともに40代、50代で高い。男女差は30代以降大きく開いて、45~49歳では女性(21.9%)は男性(11.7%)のほぼ2倍に達する(下図)。

シングル男女の年齢別持ち家率(共同住宅)
出所:総務省統計局「統計からみた我が国の住宅(平成20年住宅・土地統計調査の追加集計の結果から)」
 
「モチイエ女子」こだわりのポイントは?――【後編】に続く

 

daisakusen

この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2015年5月23日号『3500万円からの 住宅購入大作戦 2015春夏』の詳しい内容はこちらからご覧いただけます。

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