命を守るために
避けたい形状のマンション
政府の地震調査委員会は、東日本大震災以降、地震動予測の計算手法を変更し、研究成果や地盤の最新データを盛り込んでいる。
以前の調査に比べると、首都直下地震が懸念される関東地方では「大地震による強い揺れ」に襲われる確率が高まっており、東京都庁周辺は従来の26%から46%に、横浜市役所周辺は66%から78%に、さいたま市役所周辺は30%から51%に、千葉市役所周辺は67%から73%になった。
この「大地震による強い揺れ」というのは、震度6強から7程度を指す。建築基準法が定めている新耐震基準とは、この強さの揺れが来ても、「倒壊(崩壊)して人命に危害を及ぼすことがない」レベルだ。倒壊しないためには、ある程度壊れる(壊れることで地震力を逃す)ことが考えられている。
「築30年を超えているようなマンションは、既に上物の評価はゼロになっていて、底地の共有持分程度の値段になっていることが多い。上物はタダなのだから、住めるだけ住んで、万一地震で壊れても建て直せばいい、と考える人もいます。それでも、阪神・淡路大震災の教訓を生かし、1階がピロティ、あるいは店舗で開口部が多いなどの、形状的に弱い建物は避けるべきでしょう」(小松教授)
古くても比較的地震に強いのは、低層の四角い形状のマンションで、地盤が強いところに建ったもの。ただし、あまり古いマンションだと、現在主流の、地中深く杭を打って建てる方式を採っていないこともあるので、そこは要注意だという。
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