2 収納率の確保

 犬や猫と快適に暮らすには、通常よりも1~2割多めに収納スペースを確保することが望ましい。犬や猫にとって、触れるものは全ておもちゃになる。遊ばれて困るものは、壊される前にしまっておく方が賢明だからだ。

 また、飾り棚や多目的カウンタ―などを設ける場合は、犬の尻尾による叩き落としを避けるため、高さを犬の頭より高めにしておく。

 トイレシートや猫砂、おもちゃ、ペット用衣服など、犬猫用アイテムの収納スペースも必要だ。例えば、犬がおもちゃにすぐ飽きるのは、出しっぱなしにしているから。一番好きなおもちゃは来客時や留守番時など、静かにしていてほしいときだけに与えると効果的だ。

2匹の豆芝のためにスペースを新設

1階の和室2室をつなげてキッチン(写真左)とリビング(写真右)の大空間をつくり、その中心にドッグスペースを設置。家族はどこからでも犬の様子がうかがえ、犬は人がリビングに集まってもドッグスペースに隠れながら人の様子をうかがえる。スペース内は掃除がしやすく、臭いの定着を防ぐため空気の流れも計算。
設計/犬環境設計 かねまき・こくぼ空間工房

3 掃除のしやすさ

 犬は興奮するとヨダレが出るし、猫は毛玉を吐く。清潔に暮らすためには、床や壁材を拭き掃除がしやすいものにしておきたい。

 汚れや臭いは目地に残りやすいので、床材を目地の少ないものにするのもコツ。汚れた部分だけを取り出して洗えるパーツ状のカーペットなどもお勧めだ。

 また、廊下などの狭い場所は、犬猫の体のこすり付けで汚れやすいので、人の腰の高さまでは水拭きできる素材がいい。腰壁を付けたり、人の腰の高さでクロスを上下に張り分けると、メンテナンスが下部だけで済むので楽になる。これは猫の爪とぎにも有効だ。

 キャットウォークを設ける場合も、人の手が届く状態に。猫だけが通れるキャットウォークは論外。