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「顧客の創造」がマーケティングの目的である
2015年11月10日
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ダイヤモンド・マネジメント・フォーラム

国内史上最速のスピードで成長する「LOHACO」の
デジタルマーケティングを支える組織とは?
【アドビ システムズ (ユーザー企業事例[アスクル])】

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データを見るのは
ソリューションを提供できる人

アドビ システムズ
アドビ グローバル サービス統括本部 コンサルティング サービス本部
シニア コンサルタント
安西敬介

 LOHACOはメーカーとサービスや価値を共創していくという思想で、マーケティングデータを共有したうえで施策を検討し実験的なマーケティングを行うLOHACO ECマーケティングラボを展開している。14年2月に12社の参画ではじまったこの取り組みは、現在では15年7月時点で54社の参加となっている。

 「Eコマースは、お客様のさまざまな反応がデータという形で存在しています。このデータを活用していくベースの考え方として、お客様によりよいソリューションを提供することができる人間が、データを活用すべきと考えています。それを実現するためのものとして、ECマーケティングラボという場を作りました」(成松氏)

 実際にアスクル社内にはラボの活動拠点があり、LOHACOに関わるさまざまなデータをメーカーの担当者が確認できるようになっている。自由、オープン、共創という形で、自社だけに閉じることなく、後発のEコマースながらもみずからの強みである密接な関係にあるメーカーとともにデータを活用しながら成長しようとするアスクルの姿勢が非常によくわかる取り組みだ。

 開始当初は競合同士が席を並べ分析していることに戸惑いもあったようだ。しかし、お客様を中心に考え対応をしていくことで思いも寄らぬ成果も生まれてきているという。「データを自分たちだけで見てしまうと、自分たちが関わる範囲だけでの最適化となってしまいます。それでベストなソリューションができるのであればよいですが、だいたいはそういうことはありません。

 実際、お客様に対して、最良のサービスを提供するためには、LOHACOの関係部署、パートナーなど、サプライチェーンの全てのプレイヤーが、お客様のニーズを知り、それを提供できるのであれば、確実に良いものを提供できると考えています」(成松氏)。もともとお客様主義を貫くアスクルであればこそ、他社にもデータを提供し一緒に考えることができているのだ。

デジタルマーケティングを支える
メンバーのスキル

 製品を導入しただけではデジタルマーケティングを推進することは難しい。製品とともにプロセスや組織も整備していく必要がある。「データ分析やデジタルマーケティング活用に関わるスキルはメンバーごとに平準化できるように努力しています。その一つとして必要となるスキルとレベルを洗い出し、メンバーごとにいつまでにスキル習得するかを目標設定し、達成度合いを評価に組み込みます」(成松氏)。

 さらには各メンバー同士がスキルを補完して、プロジェクトを一緒に実施するなどによりチームで協力して成長できるようにしているという。デジタルマーケティングに関わるスキルを評価にまで組み込んでいる企業は少ない。ビジネスにおいて人の重要性を理解しているからこそできる対応だ。

 関係部門に対してもデジタルマーケティングの感覚を養うためのトレーニングを実施しているという。最初はパッケージ化したレポートとして、「Adobe Analytics」のデータの必要なレポートを確認するところから始め、そこから徐々にさまざまなデータを見れるようなトレーニングを実施しているそうだ。

デジタルマーケティングは、テクノロジーの導入と同時にデータ重視の組織/文化の中心的組織(CoE)の構築が重要という認識で一致した、アスクルの成松氏(右)とアドビ システムズの安西氏(左)

 「データを確認するようになると、データの良し悪しに対して原因を知りたくなります。その原因を知るためには分析が必要になるため、そのタイミングで分析のトレーニングを実施しています」(成松氏)。これらのトレーニングは部門ごとに見る指標やそこから取るべきアクションが異なるため、細かくプログラムを分けて実施している。

 人によりデータ分析の得意、不得意もある。また、部門として浸透しやすい、しにくいなどもあるそうだ。「組織全体のスキル水準を効果的に底上げするためにさまざまな試みを行っています。スペシャリストを作り展開をする方法でも、まず一番若い人間をできるようにすることで、そこから部門レベルにおけるスキル水準の底上げを図るなどもやってみました。さまざまな方法をトライしながら文化の浸透を図っています」(成松氏)。各部門の向上はもちろんのこと、新卒に対してはデータ閲覧、分析を必須化し、業務で利用できて当たり前にしているという。

 組織全体でデジタルマーケティングを推進する方法として、デジタルマーケティングに特化した中央組織(CoE=Center of Excellence)を作り、文化や人の育成、ナレッジの蓄積などを行っていくのがよいと言われている。成松氏の部門はまさにLOHACOのデジタルマーケティングCoEとして非常に大きな役割を果たしている。

 「Webだけでなく、さまざまなものがデジタル化する世の中になってきています。LOHACOもWebで注文するところだけでなく、商品が手元に届くまでがお客様の体験です。このお客様の体験をデジタルによってより気持ちの良いものにしていきたいと考えています」(成松氏)

 売上げに直結することだけでなく、その一歩先にある顧客体験をどうデジタルで実現するか。企業はサービスとしてデジタルとどう関わるかが問われてくる。そのためには、LOHACOのようなデジタルマーケティングを推進する組織をどう作るかが今後のカギとなるだろう。

資料ダウンロードのご案内

【アスクル株式会社】
分析データを駆使して、
商品と顧客の新たな可能性を発見
第2世代ECサイトNo.1を目指す

【課題】個人向けの通販サイト「LOHACO」の立ち上げにあたり、高度 な分析が行えるアナリティクスソリューションを求めていた。
【効果】分析をもとにパーソナライゼーションを実施。ターゲティング施策に よりRPV(訪問者あたりの売上)を130%向上、サイト内検索の分析 によりヒット商品を発見し、組織のデータに関する意識を高めた。

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「顧客の創造」がマーケティングの目的である

顧客の創造とは、自社の顧客基盤を拡大することである。そのためにはマーケティングとイノベーションが不可欠である。顧客第一主義や顧客のセグメンテーションへの盲信から抜け出し、イノベーションを軸に顧客との新たな関係性の構築をすすめる企業と、マーケターの考え方を探る。

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