オンデマンド印刷の活用で在庫を20%削減
こうしたソリューションをいち早く導入して販促品物流の効率化を実現したある製薬会社では、段階的に取り組みを進めた結果、現在では導入当初と比較して20%の在庫削減を達成した。また、別の製薬会社では余分な在庫を抱える必要がなくなったため、営業所の集約を進めることができた。
さらにYSDはオンデマンド印刷サービスを2009年から開始していたが、13年の羽田クロノゲート(羽田CG)稼働を機に、様々な製薬会社の販促品の保管・在庫管理、オンデマンド印刷、出荷といった一連の作業が同一施設内で完結できる体制が整い、販促品物流の効率化を実現している。
「製薬メーカーさんのパンフレット類は、薬事情報が逐次更新されるため、改版の頻度が非常に多い。しかし、その都度オフセット印刷で作り直せば時間がかかってしまう。そこで1部から印刷が可能なオンデマンド印刷を活用することで、とりあえず小部数を刷っておいて、その間にオフセットで印刷するといった組み合わせができるようになった」(中村氏)。顧客がもっとも危惧する欠品リスクに関しても、オンデマンド印刷を併用することで、思い切って制作部数を抑えることができ、結果的に在庫の削減につなげることができるようになったという。
リードタイムに関しても、「例えば、MRさんからの出荷依頼を午前中に受けた場合、午後にオンデマンド印刷を行い、在庫品と同梱して当日中に出荷し、翌日には営業所に届けることが可能になった」(櫻井氏)。
「羽田CGでは、同じ施設内で複数の機能が同居しているため、お客様からの注文にギリギリまで対応できるメリットがある。また、グループ内のさまざまな機能やインフラを組み合わせることで、付加価値を高めていくことも可能。それらをワンストップで提供できるのがヤマトグループの強み」(中村氏)だと語る。