サービス開始7年でメーカー十数社の修理業務を受託
宅急便ネットワークを核に、物流に関連する周辺業務を取り込みながら拡大を続けるヤマトグループ。その中でも、ヤマトマルチメンテナンスソリューションズが手掛けている家電メンテナンス事業は、物流会社の枠組みを超えた取り組みとして、その業容の広がりを端的に示す事例でもある。宅急便ネットワークが持つスピードとメンテナンスの融合は、「バリュー・ネットワーキング」構想が掲げる物流の高付加価値化を高い次元で実現している。
修理品の回収、修理作業、修理後の配達まで一括して請け負うため、ユーザーと羽田CG間のやりとりで済む。
同社が家電メンテナンス事業を開始したのは2008年。マルチメンテナンスカンパニー生活家電メンテナンス事業部の池田克司事業部長は「宅急便ネットワークを土台に、顧客満足度を上げるビジネスモデルを検討していく中で、修理という機能を付加させたらどうかというアイデアが生まれた」と振り返る。
ただ、当時はまだ技術的なノウハウが乏しかったこともあり、メーカーが行う修理の前後作業(開梱や発送作業など)を担当するメンテナンスサポートのレベルにとどまっていた。
ヤマトマルチメンテナンスソリューションズ
池田克司
マルチメンテナンスカンパニー
生活家電メンテナンス事業部事業部長
池田克司
マルチメンテナンスカンパニー
生活家電メンテナンス事業部事業部長
しかし、初めての顧客として受託したキヤノンの修理センター業務では、ヤマトグループのサポートによって1日当たりの生産性(修理台数)が倍増するという大きな成果をあげた。「その後、お客様からの受託領域を徐々に拡大して修理業務そのものも担当するようになり、現在は各ご家庭からの修理品の回収、修理作業、ご家庭への配達までを一括して請け負うフルフィルメント体制が整った」(同)という。
同社がメンテナンスを受託しているのは、おもに白物生活家電で、宅急便で運べるサイズのものが中心。顧客数は現在、十数社を数えるまでに成長している。