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「顧客の創造」がマーケティングの目的である

トップがマーケティングに深く関与すれば
社員の顧客意識はおのずと高まってくる

【プロフェッショナルからの提言】
今村英明(信州大学経営大学院教授、早稲田大学ビジネススクール客員教授)

今村 英明
2015年12月15日
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マーケティングへの関与度で
経営者を3分類する

 経営者によるマーケティングへの関与度を見ると、その時間と意識の投入度合いは個人によっても業種によってもかなり違うが、大きく分けると、次の3つに分類できると考える。

 1つ目は、マーケティングにどっぷりと深く関わっている経営者。アップルの創業者で前CEOのスティーブ・ジョブズ氏、ウォルト・ディズニー氏、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼CEOなどが典型だ。仮にこれらの経営者を「ザ・マーケティングCEO」と呼ぶことにしよう。

 2つ目は、ジョブズ氏らほどどっぷり関与するわけではないが、必要に応じて選択的かつ積極的に関与する経営者。私見では日産自動車のカルロス・ゴーン社長、ゼネラル・エレクトリックのジャック・ウェルチ前会長などがこの類型に当てはまると思う。これを仮に「マーケティング・アクティビスCEO」と呼ぶ。

 そして3つ目は、マーケティングには必要最小限しか関与しない従来型の経営者である。これを「マーケティング・ミニマリストCEO」と呼ぶ。筆者のこれまでの調査研究によると、総合商社や総合電機といった「総合」のつく大企業のサラリーマン経営者、BtoCよりもBtoB企業の経営者にこのタイプが多いように見受けられる。

 もちろん、経営者のマーケティングへの関与度が企業業績や成長力と相関するとは限らないし、「ザ・マーケティングCEO」だからよいとか、「マーケティング・ミニマリストCEO」だから悪いという評価を下せるものではない。

 だが、前述のように、時代の変化とともに経営者が直接マーケティングに関わる必然性が高まっていることは間違いない。それを踏まえて、少なくとも次の6つに取り組んでみてはどうだろうか。

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「顧客の創造」がマーケティングの目的である

顧客の創造とは、自社の顧客基盤を拡大することである。そのためにはマーケティングとイノベーションが不可欠である。顧客第一主義や顧客のセグメンテーションへの盲信から抜け出し、イノベーションを軸に顧客との新たな関係性の構築をすすめる企業と、マーケターの考え方を探る。

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