30万円の高級コンロに
興味を示す消費者とは
顧客分析は、1台30万円するハイグレードコンロ「DELICIA」(デリシア)の販促にも大いに役立った。
これまでコンロについては、「購入者に炊飯鍋をプレゼント」するキャンペーンを10年以上続けてきた。炊飯鍋は一般家庭にとって珍しいし、コンロの利用機会も増やせると考えたからだ。
「ですが、いまは“もらえるプレゼント”はインパクトがない。モノを捨てるのにお金がかかる時代なので、使わないモノをもらってもうれしくないんですね。そこでデリシア購入者のプレゼントを『R・STYLEで使える5000円分のクーポン』に切り替えたところ、“実用的で便利”“何を買おうかワクワク感がある”と大好評です」
キャンペーンも好評で、デリシアの出荷実績は2013年度が前年比130%、14年度が同111%にも伸びている。
分析調査によって、デリシアのユーザー像と、R・STYLEのユーザー像とは異なることがわかった。デリシアの利用者は「日々ていねいに暮らそう」という価値観を持った人が多く、「協調性があり社交的」「薦められたものを選ぶ」「料理の腕に自信がある」「ホームパーティ好き」「客は和食でもてなす」「ブランドを重視する」傾向があるという。
「価値観分析から、男女で違いがあることも見えてきました。男性は、妻においしい料理をつくってあげたい、自分でメインテナンスするマメなこだわり派。女性は、家族を喜ばせることと同時に、お手入れの簡単さとデザインにこだわる家庭的な愛情派です。この結果を踏まえ、男性と女性では接客の仕方を変えていく必要があることがわかりました」
こうしたデータ分析を活用して顧客の本質を理解し、商品開発や販促といった次の戦術につなげていく。