A/Bテストを繰り返すなど
クリエイティブを工夫

今年で16年目を迎えたライスフォースは、米を発酵させたエキスから作られる化粧品ブランド。上の写真は主力3商品「ディープモイスチュア」シリーズ

 ウェブ広告の大きなメリットの一つは、クリエイティブの差し替えが簡単にできること。A/Bテストなどでユーザーの反応を見ながら、より効果的なキャッチコピーやビジュアルを追求してきた。Aのほうが効果的とわかれば、次はA'も試してみるという具合だ。飯島氏はこう説明する。

「クリエイティブについては非常にこだわっています。たとえば、商品を手で持った写真、顔に近づけた写真、ハコを持っている写真など、いろいろなパターンを試しました。また、季節によって商品の横に置く小物や写真の背景を変えてみるなど、常に工夫を積み重ねています。コピーについても同様です」

 2013年にはフェイスブックを導入し、ソーシャルメディアの本格的な活用が始まった。フェイスブックは国内2300万、ワールドワイドでは14億人以上のユーザーを抱える巨大なソーシャルメディアだ。しかも実名式のためシェアされる情報に信頼性が高いとされる。クチコミで高い品質を訴求したい中小企業にとって、マーケティングに使うにはメリットが多い。

「ソーシャルメディアの場合、名前や生年月日、趣味などを公開しているケースも多いので、よりリアルにユーザーを思い浮かべることができます。『こんなメッセージが共感を得やすいのでは』といったことを考えやすくなったと思います」と十鳥氏は言う。

 ただ、当初は期待通りの効果が得られず苦労することもあったという。

「フェイスブックの機能が次々にリリースされ、私たちにできる施策も増えました。さまざまな機能を使うことで、効果を高めることができました。効果にはある程度波がありますが、こうした機能を使えばある程度平準化することはできると思います」(飯島氏)

 たとえば、ユーザーの属性を絞り込んだフェイスブック広告から、ターゲット層を自社サイトに誘導する。ターゲットのグループごとに、広告の出し方はかなり細かく設定することができる。また、一度購入した顧客に対しては、何度も同じバナー広告を表示しないといった設定も容易だ。購入者に対してバナー広告がいつも表示されるようだと、「しつこい」「煩わしい」と思われて逆効果になる場合もあるからだ。