さらに、調査結果を解析モデルにかけ、メニュー開発に活かしている。たとえば、新メニューがどの程度消費者から支持をされているのか調査し、ローンチ可否を判断するサーベイがある。その結果を蓄積し、“売れるメニュー(≒サーベイ評価が高いメニュー)”にはどんな特徴があるのかを解析することで、メニュー開発の精度を高めている訳だ。

 データソースには、ほかにもPOSデータやモバイルアプリのアクセスログ、天候をはじめ外部の膨大なデータも取り込んでマーケティングの精度を上げている。

自動的に来店を促す
ストーリーづくりを

 同社が今後目指すのは、顧客へのアプローチのタイミングと内容をより的確にすることだ。

「たとえば、初来店のお客様の場合、2週間後に、定番商品のクーポンをお客様の属性(性別・年代など)に合わせて送信。続いて、データ分析から、おすすめ商品を、その人の生活スタイルなどに合わせた時間帯にレコメンドする。さらに、最近来なくなったお客様には最寄りの店舗情報と特別割引をセットでオファーするなど、お客様のロイヤリティが高まるストーリーを発見していくことが大きな目標です」

 こうした複雑なマーケティングもITを活用して自動化すれば、大きな収益力アップになるだろう。

 すかいらーくでは1年間に延べ4億人が訪れ、毎年10億件ものデータが蓄積されていく。データ駆動型経営による成長の余地はまだ大きい。

(取材・文/河合起季 撮影/宇佐見利明)