小売電気事業者は
3タイプに大別できる

 今年3月時点で資源エネルギー庁に登録されている小売電気事業者の数は約200社に達しており、各社がいろいろな料金メニューで顧客獲得に注力している。

「登録小売電気事業者は、(1)供給型、(2)地域密着型、(3)顧客密着型の三つのタイプに大別できます。(1)は既存の電力会社やガス会社、石油会社のように自前の発電設備も所有し、総合エネルギー事業を展開しようとしているところです。(2)は地方自治体主導もしくは民間事業者との協業、あるいは民間事業者単独で、特定の地域に密着したサービスを提供するもの。(3)は携帯電話や大手コンビニエンスストア、不動産会社など、B to Cの本業で顧客との密な接点を有しており、囲い込みにおいて優位に立つ事業者です」(瀧口シニアマネジャー)

 これらのうち、(1)は体力があるだけに、すでにコスト(値下げ)競争が勃発。今後はさらに過熱していく可能性が考えられる。(2)については、その地域でずっと暮らし続ける人にとって有力な選択肢となってきそうだ。残る(3)も、本業のほうでの関わりが深い消費者には相応のメリットがもたらされることだろう。

「焦って性急に選んでしまうのは避けたいところですが、今までよりも電気料金が安くなる可能性はかなり高いので、まったくアクションを起こさないのも考えもの。検討の際には、料金の安さだけでなく、長期的に電力供給が続けられるのか、自分の住む地域でこそ得られるサービスがないか、電力以外の本業で魅力的なサービスを提供していないか、といった視点も持っておいた方がいいでしょう」(瀧口シニアマネジャー)

 要は、本気で電力小売りに取り組んでいる企業に的を絞るということだ。契約していた事業者が撤退した場合も電気は安定供給されると前述したものの、最初にこれぞと選んだ事業者と長く付き合っていける方が煩わしくないのは言うまでもない。