ここへ来て日本経済は再び混迷の度合いを深めている。いま、日本と日本経済は何が問題なのか。復活するカギはどこにあるのか。ジャーナリスト、田原総一朗氏が講演「時代を読む」で語った日本経済再生のヒントとは。

守りの経営が“失われた20年”を作った

ジャーナリスト田原総一朗氏

 日本では、1990年代初頭のバブル崩壊以降、20年以上にわたって経済の停滞が続いた。いわゆる“失われた20年”だ。田原総一朗氏は、この背景には「守りの経営」があると、講演で指摘した。

 確かに、かつての日本企業は、ソニー創業者のひとりである盛田昭夫さんや本田技研工業創業者の本田宗一郎さんのように、チャレンジする経営、攻めの経営をしていた。

 ところが、日本の高度成長に伴い、企業は守るものを持ってしまい、いつのまにか守りの経営に転じてしまったのだ。

 経営者も創業者世代から、三世、四世の時代になり、「サラリーマン時代を無難に過ごした人が経営者になる」ようになった。これでは守りの企業、守りの経営を良しとし、勝負に出ないのも当然だろう。日本経済が再生するには、攻めに転じることが不可欠だと田原氏は強調する。

 そのためには、社員たちにチャレンジ精神を持たせ、どんどんチャレンジする、そして新しい産業を作っていく。そのような攻める企業に転換する必要があるのだろう。

仕事の49%はAIに取って代わられる

  そして、ひとつのヒントとして、「野村総合研究所とイギリスのオックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授、カール・ベネディクト・フレイ博士との共同研究によると、AI(人工知能)やロボットなどが導入された場合、日本の労働人口の約49%が就いている仕事がAIやロボットに取って代わられるとしています」と語った。

 その状況の中で、企業は何をなすべきなのか、日本と日本企業が復活するカギはどこにあるのか。続きは田原氏の講演でじかに聞いていただきたい。

>>>チャレンジ精神を持ち、攻めの経営をする企業とは・・・(続きは次ページ)

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