景気低迷が長引き、大きく減少したが、今春から回復傾向にあるビジネストラベル。10月31日に羽田空港が国際化し、首都圏の空港事情が大きく変わる。出発到着の時間帯が拡大、就航エアラインも増加。旅のスタイルに合ったフライトと空港を選ぶ時代がやって来た。より効率的で快適なビジネストラベルを実現するための最新情報を紹介しよう。

 

深夜早朝便も多数
ソウル日帰りも可能

 羽田空港に4本目となる滑走路が完成し、10月21日に供用が開始される。同31日から羽田は32年ぶりに国際定期便が就航する24時間空港となる。羽田と成田、首都圏に二つの国際空港が共存することとなり、ビジネストラベルをめぐる状況も変わろうとしている。

 羽田空港は、以前からソウル、上海、北京、香港へ国際チャーターの定期運航というイレギュラーなかたちで国際便が飛んでいた。10月31日からは、国際定期便が就航する本格的なインターナショナルエアポートとなる。羽田と結ばれるのはアジアを中心に米国、欧州、計17都市。

「2010年8月Airports partcipating in the ACI annual traffic statistics collection」を基に作成。( )は2008年の順位

 24時間空港の羽田からは、21時以降、朝8時までに発着する深夜早朝便も運航される。たとえばJALとエールフランス航空が共同運航するパリ行きは羽田を深夜1時30分発、パリに早朝6時20分に到着。『もっと賢く・お得に・快適に空の旅を楽しむ100の方法』(ダイヤモンド社)の著者で航空・旅行ジャーナリストの緒方信一郎氏は、「シャルル・ド・ゴール国際空港は、ヨーロッパのハブ空港であり、欧州各国への乗り継ぎが非常によい。6時台に到着すれば、ヨーロッパ中に飛ぶことができる」と深夜便の利便性を強調する。帰国便は、羽田に朝6時55分着。リフレッシュルームなどで小休止して、そのまま出社することもできる。

 ANAは、羽田発の深夜便で快適な睡眠とさわやかな目覚めをサポートする新サービスを開始。搭乗した時から照明を減光、ハーブティーやアイマスクなど快眠グッズ各種を提供する。

 来年2月に就航するブリティッシュ・エアウェイズのロンドン線は早朝便で羽田を朝6時25分発、ロンドンに朝10時に到着。

 アジアでは、大韓航空のソウル仁川空港線が朝6時25分発で、ソウル8時45分着。復路便は、21時25分ソウル発、羽田23時30分着なので、会議出席や打ち合わせといった出張であれば、ハードではあるが日帰りも十分可能になる。