首都圏発着の増便で
選択肢が大きく拡大

 成田と羽田、首都圏に二つの国際空港があることで、利用者にとっては選択肢が増えた。フライトスケジュールによって航空会社を選んだり、往路は羽田から飛び、帰国便は成田線を使ったりすることもできる。シンガポール航空は、羽田線と成田線の運賃を同額に設定。

 発着枠が増えた成田からは、今春、エミレーツ航空、エティハド航空、カタール航空、マカオ航空が就航、エア・カナダがカルガリー線を開設した。また、10 月31日から香港航空が成田~香港線をデイリーで運航予定。成田発19時30分、香港着23時40分というフライトスケジュールで、ビジネス客の利用を見込んでいる。

 現在、航空各社が販売している正規割引運賃は、成田発着便より羽田発着便のほうが高く設定されているケースが多く見られる。前出の緒方氏は、「就航する航空会社とフライト数が増えたことで競争が激化し、両空港発着の航空券の価格差は縮まるとともに、成田発着航空券を中心に価格が下がる可能性がある」と言う。

深夜早朝発着便に
対応するサービスも

 羽田の深夜早朝便利用者に便利な施設やサービスも登場してきている。朝、羽田に到着し、会社に向かう前に立ち寄りたいのがARRIVALラウンジ(ビジネスクラス以上の搭乗客が対象)。JALとANAが導入した到着ラウンジで、インターネット環境やシャワールームなどを備え、軽食も用意される。

 国際線旅客ターミナル2階到着ロビーには誰でも有料で利用できるリフレッシュルームもあり、出発前や到着後シャワーを浴びたり、休憩したりすることが可能。シャワーブースは6、リラックスチェアのある休憩室が10室ある。24時間オープンなので利用機会は多いはずだ。

 また、羽田の近隣ホテルでは時間貸しプランを販売している。羽田エクセルホテル東急は、朝6時から正午まで利用可能なプランと17時から24時まで利用できるプラン、二つの時間貸しプランを提供(12月21日まで)。チサン ホテルズでは、浜松町をはじめとし、朝食をリニューアルしてビジネスマンの出張をサポートする(11月30日まで)。