経済を牽引する3つの原動力を見ると、今年の1月から5月まで上海の輸出入増加率はマイナスで、固定資産投資増加率は8.0%(工業投資はマイナス)、そして小売総額の増加率は7.1%だった。まさに「可もなく不可もなし」という表現がよく似合う状況だ。

 上海はどうやって財政収入の激増を達成することができたのか?その答えは、上海の経済構造から見出すことができる。すでに定着している印象として、上海は中国で最大の工業都市と見なされているが、今日の上海経済において工業が占める割合は今や3分の1以下で、サービス業が全体の3分の2以上(67.8%)を占めている。また財政収入の構造から見ると、上海の経済力に対するサービス業の貢献度はすでに80%を上回っている。

 では、その上海のサービス業界で納税力が最も高いのはどの業種なのか。それは、金融業と不動産業である。上海市の公式サイトに掲載されたデータによると、不動産、卸売・小売、金融、ビジネスサービス、交通・運輸という五つの業種だけで、地方財政収入全体の60%以上を占めている。

 それゆえ、一般の人々からすれば今日の上海経済は、鋼鉄や自動車、設備製造などの従来型産業が不振にあえいでいる一方で、金融と不動産が大盛況といういわゆる「氷火両重天(両極端のものが混在する)」の状態にある。

 昨年、上海の金融業における付加価値額は4052億2300万元に達し、前年比で22.9%も増加した。 昨年、上海金融市場の取引総額は1463兆元に達し、前年の2倍と激増、証券市場の株式取引額は世界第2位となった。

 昨年末から今年上半期までに、上海の住宅価格上昇率は深センを抜いて全国でトップとなった。今年上半期、上海の不動産投資額は工業投資とインフラ投資を足した額の2倍を上回り、固定資産投資総額の62%を占めている。

 明らかに、上海の財政収入の激増は深センと同様、金融市場と不動産市場における盛んな取引に依存したものであり、現地の実体経済はいかなる貢献もしていない。北京、広州、杭州などの主要都市には証券取引所がない上に、巨額の資金を呼び寄せる投機的な不動産市場もないため、当然ながら財政収入の増加において上海と深センには遠く及ばない。

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元気があるのは金融と不動産だけ

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