中国の国営放送である中央テレビは毎年、消費者権利保護デーである3月15日に特別番組『315晩会』を放映する。例年、非常に高い視聴率を記録する番組だ。
今年の3月15日夜に放映された『315晩会』では、「放射能で汚染された日本の食品が中国に流入していること」が取り上げられ、無印良品、永旺(イオン)スーパー、カルビー、深セン海豚跨境科技有限公司などの名前が公表された。これらの企業の中で最も知名度が高いのは無印良品である。
中央テレビによると、「無印良品が販売している日本製の食品のパッケージ上には中国語で日本の生産地を表示したラベルが貼られているが、そのラベルをはがすと、これらの商品の本当の生産地が『東京都』と記されている」。東京都は中国が食品輸入を禁止している放射線汚染地区だ。
予想通り、この番組によって瞬く間にSNS(ソーシャルネットワーキング)上は無印良品に対する批判や罵詈雑言であふれ返った。これに伴い、日本の企業や国、日本人を侮蔑するコメントもネット上を賑わせた。普段は厳しい言葉で民族主義に反対している『新京報』でさえ、当日夜のうちに、同社の微信(WeChat、ウィーチャット)公式アカウント『沸騰』上で、無印良品を叩く記事を掲載した。
無印の反撃と
世論の逆転
しかし翌3月16日、無印良品(上海)商業有限公司は、同社の公式アカウント上で、報道されている問題は「誤解」であるという声明を出した。中央テレビが指摘している食品パッケージに記されている「東京都」は生産地ではなく同社の本社所在地であって、今回取り上げられた「ノンカフェインはと麦&レモングラス茶」の生産地は福井県、「大粒卵ボーロ」の生産地は大阪府で、いずれも中国が食品輸入を禁止している放射線汚染地区ではない。