菅氏側近の相次ぐ
醜聞報道の仕掛け人は誰か

 ご存じの方も多いと思うが、最近の政局ニュースでは、政府与党内で「安倍・麻生」vs「菅・二階」という対立構図で熾烈な権力闘争をしている、という話がよく取りざたされている。

 詳細は省くがポイントは、ポスト安倍を見据え、菅義偉官房長官と二階氏の距離が近くなっている、ということだ。20人近い無派閥議員からなる「隠れ菅派」と二階派が合流したら、党内のパワーバランスは一気に塗り替わる。その動きを最大派閥・清和会の安倍氏と、志公会の領袖である麻生氏が警戒して、水面下で菅・二階の足を引っ張るような情報戦を仕掛けているという情報もある。

 今回のカジノ疑獄もそのひとつだというのだ。

 秋元氏にダーティなイメージをつければ、派閥トップである二階氏と、IRの旗振り役である菅氏にダメージを与えられる。もちろん、内閣府の副大臣だった人物なので安倍首相も無傷では済まないが、大騒ぎなればなるほど、首相と昭恵夫人が当事者とたたかれる「桜を見る会」を巡る疑惑が吹っ飛ぶというメリットもある。

 つまり、安倍首相の立場から見れば、秋元議員逮捕は「任命責任を追及される問題」ではあるのだが、党内勢力を脅かす政敵にダメージを与えつつ、長期化しつつある“政権の私物化疑惑”から国民の目をそらすことができる「一粒で二度美味しい他人のスキャンダル」という側面もあるのだ。

「首相を貶めるようなデマを流すな!」というお叱りもあるだろうが、筆者が今回のカジノ疑獄にまつわる怪情報を「デマ」だと笑い飛ばせないのには、もうひとつ理由がある。

 それは最近の露骨な「菅おろし」だ。

「文春砲」をきっかけに、就任してまたたく間にクビを取られた河井克行前法相、菅原一秀前経産相というのは、菅氏の側近として知られ、今回の内閣改造でも菅氏がねじ込んだといわれていた。

 ただ、これだけならば「そういうこともあるよね」と笑っていられるが、筆者が戦慄を覚えたのは、和泉洋人首相補佐官の不倫スキャンダル報道である。

 やはり「文春砲」によって厚労省大臣審議官と京都出張中に楽しく町歩きをするツーショット写真が撮影されて、「京都不倫出張」だと報じられた和泉補佐官も起用したのは菅氏で、米軍基地問題などの官房長官案件を任せるほど信頼の厚い腹心なのだ。