ひと昔前までスポーツファンは12月第1日曜日を心待ちにしていた。それは大学ラグビー早明戦。当時は早稲田と明治の実力が抜きん出ており、対抗戦は両校が全勝で早明戦を迎えるのが当たり前。加えて「重量フォワードを主体としたタテ突破の明治」「バックスによるヨコ展開の早稲田」という対照的なチームカラーを持ち、タイプが異なる両雄の激突に人々は熱狂したのである。
ところが今は違う。伝統の一戦と言われながらも盛り上がりに欠け、人気は低迷。その原因はこの「2強対決の構図」が崩れたことにある。大きいのは明治が弱くなったことだ。1998年以来、9年間優勝から遠ざかっている。
人気の低迷は早明戦をはじめとする大学ラグビーに限ったことではない。日本ラグビー界全体が輝きを失っているといえる。