長く続いたデフレの「ノルム」は変わったのか。企業の価格転嫁や賃上げの広がりはあるが、今回のインフレ局面での価格転嫁率は米独の4~6割にとどまり、賃金上昇も世界的な供給構造変化や国内の人手不足に起因する。健全な物価上昇の前提になる生産性上昇を、大企業と中小企業の二重構造や雇用重視の労使関係、保護政策が妨げている構造は変わらないままだ。

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