自由民主党の前身である日本自由党の結党資金は、硝煙と血の臭いが染み込んだ闇のカネで賄われていた。資金の出所は、海軍のために戦略物資を調達する中で巨利を得た児玉誉士夫だ。しかし、戦争成金にすぎなかった児玉が、同党代表の鳩山一郎に直接カネを渡そうとしても、受け取ってもらえなかっただろう。両者を仲介したのが、『昭和の女帝 小説・フィクサーたちの群像』のモデルである辻トシ子の父、辻嘉六だった。本稿では、戦後の保守政治を支えた闇の資金の謎に迫る。

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