「さっさと殺せ!」「自分で死ね!」――在宅医療の現場で、50代夫婦が激しく言い争った。車椅子生活の妻は夜中に何度も夫の介助を必要とする一方、夫は睡眠不足で限界寸前。妻は「オシメもイヤ」「尿の管もイヤ」と拒み続けた。介護する側の負担と、される側の自由や尊厳は、なぜ衝突するのか。在宅医療の現場で起きた実例から、介護にひそむ「二律背反」を考える。※本稿は、医師で作家の久坂部 羊『欲張らない死に方 賢く老いるヒント』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。

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