世界の株式市場は大荒れの展開である。一時の一方的な暴落局面は通過したようだが、ボラティリティが異常な高水準で推移しており、「ひと晩寝ると様相が一変」の状況が依然として継続している。ボラティリティ(株価の振幅)を計る指数としては、VIX指数が優れている。VIX指数は「恐怖指数」とも呼ばれるが、シカゴ・オプション取引所のS&P500種オプション変動率で算出される。この数値が高ければ高いほど人びとの不安心理が高まり、株価の振幅は大きくなる。海にたとえれば「大シケ」の状態である。歴史的な調整でも、50接近となれば不安心理はピークアウトし、相場の転機を示唆することが多かった。 ところが、今回は10月24日のザラ場に89.53という極値をマークしており、過去の経験則はまったく通用していない。このことは、今後もダウ工業株30種平均で、数百~4ケタドル前後の騰落が珍しくないことを示唆する。当然、日経平均も数百~1000円前後の騰落が起きることになろう。このような現状は、まさしく油断のできない「異常事態」に他ならない。
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今後も振幅の大きな相場が続く
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