2021年1月29日、一般財団法人関西情報センターは、西日本電信電話(NTT西日本)とフォーティネットジャパンの協賛を得てWebセミナー「地域企業におけるテレワーク成功の鉄則」を開催した。企業は今、デジタル技術を活用した「テレワーク」という働き方への対応を迫られているが、対応が遅れている企業も少なくない。セキュリティを確保しながら、どこにいてもオフィスにいるときと同じように働けるネットワーク環境を作るにはどうすれば良いのか。NTT西日本の担当者が、先進技術を応用してネットワークを構成する手法を解説した。

 今回のセミナーではまず、日本テレワーク協会主席研究員の富樫美加氏が「地域企業のテレワーク制度導入におけるポイントと成功の秘訣」と題して、地域企業におけるテレワークの実態や成功事例を解説した。

 さらに、フォーティネットジャパンセキュリティストラテジストの寺下健一氏が、「コロナ禍における新たなセキュリティリスク〜拡大するテレワーク環境を狙う脅威〜」と題してネットワーク攻撃の最新事情について説明した。

テレワーク時代のネットワークに
欠かせない4つの条件

NTT西日本
ネットワーク営業推進部 課長
對馬 道孝氏

 最後に、NTT西日本ネットワーク営業推進部課長の對馬道孝氏が「地域企業のスマートワーク〜ICTソリューションと成功事例~」と題して、テレワークにも柔軟に対応しながら、セキュリティ強度が高い企業ネットワークを構築する方法を提示した。

 對馬氏は、これからの企業ネットワークを構築する上で欠かせない条件として「安定した拠点間通信」「高セキュリティな拠点間通信」「通信の経路制御」「ネットワークの集中管理」の4つを挙げ、それらに対してNTT西日本が提供できる4つのバリューを紹介した。

 企業ネットワークでは、インターネットとの接続は1つの拠点(センタ拠点)だけにし、ほかの拠点からは VPN(Virtual Private Network)を通してセンタ拠点にアクセスしてインターネットに接続するという構成を採ることが多い。

 近年は、スマートフォンやタブレットなど、インターネットにつながる携帯端末を業務に活用する動きが盛んだ。インターネットにアクセスしようとする端末が増えれば増えるほど、通信量が増大し、インターネット接続拠点はもちろん、企業ネットワーク全体にも負荷が掛かる。

 さらに「Microsoft 365」や「Google Workspace」、「Salesforce」など、クラウドのサービスを業務で利用する企業が急増している。新型コロナウイルス感染症の影響で多くの企業がテレワークに移行すると、「Microsoft Teams」や「Cisco WebEx」、「Zoom」など、Web会議サービスの利用者も急増している。

 このような事情から、企業ネットワークからインターネットに向かう通信の量が急増しているため、恒常的にネットワーク全体への負荷が高くなり、通信が不安定になる。拠点間をつなぐVPNに関係するネットワーク内の装置も混雑し、業務システムとの通信にも遅延が発生する可能性が高くなる。