マレーシアPhoto:PIXTA

マレーシアが新型コロナウイルスの感染拡大に苦しんでいる。いったんは縮小し、実質GDPもコロナ禍の水準をほぼ回復してきた。しかし、5月以降、変異株によって再拡大し、先行きに暗雲が垂れ込める。非常事態宣言が発令され、経済活動が制限されるなか、日本が輸入の6割を頼るパーム油の生産への悪影響が懸念される。(第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト 西濵 徹)

2020年はコロナ禍で
11年ぶりのマイナス成長

 マレーシアは、その人口規模(約3252万人)が比較的小さく、国内市場が大きくないこともあり、ASEAN(東南アジア諸国連合)のなかでも経済の輸出依存度が極めて高い国のひとつである。

 2020年の同国経済は、国内での新型コロナウイルスの感染拡大の影響に加え、パンデミックによる世界経済の減速も相まって経済成長率はマイナス5.5%と11年ぶりのマイナス成長に陥り、深刻な景気減速に見舞われた。

 しかし、年後半以降については、中国や欧米など主要国を中心とする世界経済の回復の動きを追い風に外需が押し上げられたほか、国内での感染一服を受けた行動制限緩和により内需を取り巻く状況は改善するなど景気は底入れの動きを強めてきた。