“リアル富裕層“6人が集結した匿名座談会の後編は、妻のエルメス浪費に足場節税失敗と、富裕層の悩みが噴出。特集『富裕層 億万長者の実像』の#6では、富裕層の趣味と節税術に迫った。資産形成に余念がない富裕層は、船やウイスキーなどの趣味も殖財に生かしているようだ。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
妻のエルメス浪費が止まらない!?
富裕層を悩ませる家庭事情
──普通のサラリーマンでは手が出せないような、お金のかかる趣味はありますか。
前田 ゴルフと車、エルメスにお金を使います。私の趣味はゴルフだけです。
というのも、妻がかなりの浪費家で(笑)、エルメスを買いまくる。車も、私が選ぶ安い車は嫌だと言われるので、高い車を買っています。
藤田 エルメスのバーキンは、買ったときより高く売れるといった話を聞きます。実際はどうですか?
前田 まさに、妻はそれを口実にエルメスを買いあさっています。
私が妻に促して、一度だけバーキンを転売したことがあります。特別なことはしていませんが、150万円で購入したものが250万円で売れました。
しかしそれ以降、妻は「担当さん(注:購入をサポートする販売員)に転売した事実がバレたくないから、もう二度と転売はしない」と言って聞きません。
斎藤 富裕層かいわいでは、バーキンの話はよく聞きますよね。どのように購入していますか?
前田 担当さんから妻に連絡が来ます。「あなたに似合っているものが入りましたよ」って。
エルメス購入に当たっては、顧客と信頼関係を築く担当さんの存在が大きい。妻も担当さんを信頼しきっている。
ところが、妻の担当さんが先日、東京から横浜へ異動になりました。ようやくエルメス浪費生活も終わるのではないかと、淡い期待を抱いた私が間違いでした。妻はその担当さんを追い掛けて、横浜に通っています。
藤田 信頼関係を築くまでに、どれくらいお金がかかりましたか?
前田 そもそも、バーキンを買えるのは年に2個までです。これを買い進めると、プライベートオーダーができるようになり、自分でカスタマイズしたバーキンも作れます。そこでやっと“一人前”ですね。
そして残念なことに、金額は把握できていません。妻には「何十万円の世界だよ」と諭されていますが、そんなわけがない。
林 絶対に違うよ(笑)。
エルメスのバーキンやケリーで1.5倍、2倍とプレ値(注:商品が通常価格よりも高いこと)が付くものを手に入れるには、市場価格より低い別の商品も買わなければいけない。そういう仕組みですよね。
前田 そうですか……。3年前に藤田さんが「150万円のバーキンはエントリーモデル(初心者向け)だ」と言っていたので、それを冗談半分で妻に伝えたら、さらに火がついちゃって。
私自身はあまり物欲がないので、時計はアップルウオッチ、服も5万円程度のものを4着しか持っていません。経済を回しているのは妻です。
──ご自身で高価なものを購入されている方はいますか。