トヨタ生産方式を基に40年以上にわたり人と組織の変革に取り組み、数々の成功実績を持つ石橋博史氏の最新刊『トヨタ式ホワイトカラーの業務改善〜最少人数で最強組織をつくる』が好評だ。「業務プロセス可視化」の多くが失敗に終わる中、なぜシステム科学は組織への定着を図ることができるのか? その秘訣を伝授するセミナーの一端を見てみよう。

売上高350億円企業の革新運動のケース

 まず、私たちと共に業務改善に取り組んでいる電子部品メーカーの改善状況を見ていただこう。

株式会社システム科学 代表取締役社長
石橋博史
1962年から24年間、自動車機器メーカーに勤務し、教育担当、人事、総務、工場長、社長室の職務を歴任。1986年、システム科学を設立。業務革新の実践および「HIT技法」の開発・導入、2010年2月に「業務プロセスの可視化法とチャート作成システム」で特許取得。

 この会社の従業員数は国内で約850人。自己資本比率は60%を超え、極めて良好な経営を続けている。しかし、リーマンショック以降、売上高は減少傾向にあり、顧客ニーズにきめ細やかに対応しながらも、原材料コストの上昇などを吸収して価格競争力を高め、売上高の増加を実現するという流れを生み出す諸策の一環で、ホワイトカラーの革新活動が選択された。

 そこで2012年9月から、システム科学のコンサルティングを受けながら、「ビジネスプロセス革新運動」が始まった。その1年間の実績を見ていただきたい。

 この会社には全体で16の部門がある。「第1期」とあるのは、主力事業の1つの海外技術支援部門(営業、開発・設計、生産技術、品質保証の4担当)が先行して取り組んだ実績である。「第2期」とあるのは、3カ月後に革新運動を開始した4つの事業部門と2つの部門(調達と技術管理)を意味する。これで、トライアルは7部門となった。総参加者数は約300人。つまり管理・間接人員の4割弱である。

「基本」とは、革新運動を進めるための手法の基本的な理解と実践期間を意味し、これが約6カ月。「専門」とは改革手法を高度化するもので、専門を6カ月間ほど取り組んだ後に、自立的な活動期に入る、という段取りだ。 

*有効工数とは、作業ロス工数を除いた実工数
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