【算数】単元学習の最終チェックを

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出典: pixta

 算数の学習において夏休みは、単元学習の最終チェック期間となると考えてください。そのため、単元学習の2周目は夏休み前の時点で終わらせておきましょう。高い総合力を持った状態で夏期講習に臨んでください。

 夏期講習を受けると、自分にとって苦手な単元がはっきりすると思います。その苦手単元を克服することを夏の課題にしましょう。志望校の過去問を扱うよりも前に、得点できる問題数を確実に増やしておくわけです。

 並行して、夏休みには難度の高い問題にも積極的にチャレンジし、初見の問題や未知の問題に対応する力を鍛えてください。「書き出してみる」「順に調べ上げる」など、問題に対する試行錯誤も繰り返して、底力を付けることも大切です。

算数で夏にやるべきこと

  • 毎日欠かさず、計算や基本問題のトレーニングを行いましょう
  • 単元学習を終わらせましょう
  • 発見した苦手単元を完全に克服しましょう
  • 志望順位の低い学校から過去問対策を進めましょう

実践力養成のためのポイント

 1問あたりの時間を決めてから(例えば10~15分など)、大問に取り組みましょう。また、「必要な図表・グラフなどを書けているか」「設問の誘導に沿って考えられるか」など、その問題の特徴をしっかりと押さえることも忘れずに。

得点力に直結!ノートの取り方

 最難関中の入試では、解答だけでなく解答に至る過程を求められる場合が多くなります。「式や考え方を順序立てて書けているか」「解答の枠に収まる文章量か」といったことを普段から意識し、ノートを取る習慣を身につけましょう。

【国語】読解力の底上げを図りましょう

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 夏休みの国語学習では、復習に力を入れましょう。以前に授業や宿題で取り組んだ文章でもよいので、その内容を記述でまとめる練習をしてください。

 夏休み以降の志望校対策では、過去問を中心として解答力/実践力の強化に取り組むことになりますが、この対策で重要となるのが読解力です。文章を読んで、「話題」「要点・要旨」「場面」「心情」といった基本的なことが読み取れているかどうかが、国語の解答力や実践力では大切になります。

 この読解力を、夏休みの間に要約を通じて鍛えておきましょう。文章要約は、記述力の強化にも効果的です。もちろん漢字や知識の勉強も、毎日忘れずに取り組む必要があります。

国語で夏にやるべきこと

  • 漢字・知識の総復習をしましょう
  • 過去の読解教材の読み直し・解き直しをしましょう
  • 解答や記述のプロセスを確認しましょう
  • 志望校以外の入試問題演習に取り組み、実践力を強化しましょう

実践力養成のためのポイント

  • 時間を意識して文章を読み取るようにしましょう
  • 選択肢問題では根拠の確認を大切にしましょう
  • 記述の構成や表現を工夫することを心がけましょう
  • わからない言葉は辞書で調べて覚える癖を付けましょう

日常会話を通して国語力を鍛えよう

 国語における読解力・表現力は、日常のコミュニケーションに必要な力と共通するところが少なくありません。「相手の意思を理解する力」や「自分の意思を伝える力」などがそうです。日常会話の中でも「正確に聞き取る」「正確に伝える」ことを意識し、国語力を鍛えていきましょう。

【理科】意味を正確につかむ学習を行いましょう

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 理科の学習において夏は、単元ごとに学習してきた知識を得点力に結びつける時期になります。得点力向上のためには、「正確に言葉の意味がつかめているか」「知識のつながりが理解できているかどうか」といった視点で、知識力を確認することが必要です。

 入試問題への応用力を身につけることも欠かせません。本番の入試問題では様々な単元から出題されますが、こうした問題にも臨機応変に対応できるよう、入試レベルの問題演習に取り組んで応用力を鍛えましょう。

 これらの学習を、可能な限り夏の期間全体を通して行うことで、得点力の向上に結びつけてください。

理科で夏にやるべきこと

 夏はいろいろなことに取り組みたい時期ですが、理科ではまず「知識定着のための問題集」を1冊やり切りましょう。この頑張りによって、夏以降の過去問対策にも自信を持って臨めるようになります。

 また、実践的な演習に取り組みましょう。問題文/表/グラフ/図など様々な情報源から得た情報を整理する練習も、理科ではとても重要です。また問題文の見落としには、特に気を付けましょう。丁寧に読むことを常に意識し、実践的な得点力を身につけてください。

家庭でも学べる「身の回りの科学」

 理科の入試問題では、「身の回りの科学」に関する問題は定番中の定番です。入試の難易度にかかわらず、出題される可能性が高くなっています。

 そのため、日常生活の中で実際に「身の回りの科学」に触れる機会を作ってみるのも、実力アップには効果的でしょう。重曹(炭酸水素ナトリウム)のはたらきを試してみたり、野菜を切っているときに輪切りにした断面を見たりするなどして、「身の回りの科学」からも学習を深めてください。

【社会】知識完成後は早めに過去問を

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 夏休みの社会の学習では、テキストレベルの語句であれば確実に答えられるレベルになることを、まず目指してください。近年の入試では、確かに思考問題や記述問題の出題が増えてはいますが、それらを解く際にも基礎知識は欠かせません。秋から本格的に志望校対策を始めるためにも、夏休みの時点で知識や典型題を完成させておきましょう。

 また、7月中旬くらいのタイミングを目安として、志望校の過去問にも着手してください。志望校の要求レベルや問題のタイプを過去問から肌で感じることによって、「夏休み中に自分がやるべきこと」を具体的にイメージできるはずです。

社会で夏にやるべきこと

 単元学習の知識を総点検しましょう。単元学習の知識は、是非とも夏休み中に完成させてください。現在学習中の公民分野も「後で復習すればよい」とは考えず、その場その場で内容理解と用語の定着を徹底することが大切です。

 過去問着手は早めに行いましょう。始めるなら、7月中旬くらいがいいでしょう。第1〜第3志望校の直近5年以内の過去問を、各校1回分ずつ解いてください。過去問は、志望校の傾向や難易度などを知ることもできるため、受験対策として行うべきことの把握にも役立ちます。

日々のニュースから社会問題を考えよう

 中学入試の社会では、当事者意識を持って社会問題に向き合う姿勢が、受験生に求められます。そのため、受験生本人はもちろんニュースをよく見聞きして考えを深めることが大切です。

 また保護者の方も、日々のニュースについてお子さんに感想を尋ねるだけでなく、「あなたならどう解決するか」と意見を聞くなどして、社会問題に向き合う姿勢を育むのもよいでしょう。

まとめ

 夏に向けた受験勉強法を説明させていただきました。科目ごとに行うべきことは異なりますが、夏休みが受験にとって重要であることに変わりはありません。この期間を上手に活かして、是非とも「天下分け目の天王山」で勝利をつかんでください。