「入試会場」は全国最大200カ所!
CBT方式最大の特徴は出題と解答のデジタルデータ化だ。だが、それと同じくらい試験運営上のインフラが大学入試に与えるインパクトは大きい。
城西大学の場合、現状一般選抜をA~C日程に分けて複数回実施しており、2027年度入試から最も受験者数の多いA日程(26年度は5学部9学科で約700人)でCBT方式を導入する。
同大学入試部の桂澤朗氏は、次のように述べる。
「これまで地方入試は、施設やスタッフの手配、予算の制限で仙台と新潟の2会場のみで行ってきました。CBT化することで、47都道府県で最大200カ所の試験会場を用意でき、スタッフ側の負担も軽減できます。一方、受験生側も入試会場への移動負担を最小限に抑えつつ地方で受験することができますから、CBT入試は大学と受験生の双方に魅力が大きいと考えています」
CBTによる入試の運用形態は、大学内の設備を活用するケースに加え、外部のテストセンターを活用する形態へと広がりつつある。テストセンター型CBTは、受験する場所を限定しない地理的な柔軟性、大人数の受験へのスムーズな対応など、従来の実施方法にない利便性を提供できる可能性を持つ。
同大学が利用するのは、プロメトリック社のCBTプラットフォームであり、Gakkenと同社の協業事業として大学入試のCBT化をトータルでサポートする「Admission Compass」を通じてサービスが提供されている。
プロメトリック社は、世界の試験運営サービス市場で大きなシェアを有する米国本社の日本法人として、1991年に設立された。国家試験や公的資格試験、各種検定試験など、年間約250万件のCBT試験を運用面で支援する。
つまり、「47都道府県で最大200カ所の試験会場」は、プロメトリック社が47都道府県・160都市に設置する会場の使用を前提としている。
しかも、各会場をまるごと借り切る必要はなく、受験者数に合わせて必要な数の端末席を確保できればよい。極端な状況を想定すれば、城西大学の入試問題を解いている受験生の隣の席で、他大学の入試が行われていても一向に問題ないわけだ。一つの会場に集まった受験生が、実は別々の大学を受験しているという状況も十分に起こり得る。
こうなると、受験生に遠方の大学を受験するという実感はなくなるのではないだろうか。「地方入試」という言葉すら過去のものとなる日も早晩やって来るだろう。
